秋の大根 山釣りの邂逅
道の駅で見つけた大根の山。
五宝木大根である。
大根とは言っても、五宝木という地名がつくと僕にとっては少し話が違ってくる。
渓流釣りを覚えた頃に足繁く通った沢筋がこの大根がとれる五宝木という集落の近くだったからである。
けっこう魚影が濃くて、春先に雪の上から提灯釣りをすると黒い大岩魚が釣れたり、新緑の季節には捕まえたオニチョロ虫の数だけ木っ端岩魚が釣れたりした。
ぶきっちょな手つきで毛鉤釣りを試したことが懐かしい。
僅かに残っていた当時の写真。
当時この沢で過ごした若い釣り師が後年、源流王になることは誰にも予測できなかったようである。
いつだったろうか。
ここにはいないはずの魚が釣れちゃった。
胸鰭の溶けたヤマメに罪は無い。
加えて、世間ではそれなりのニーズがあるに違いない。
けれど、正直者には荷が重い。
あれからずいぶん経つけれど。
あの岩魚たちは達者だろうか。
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