最強クラスの台風と新蕎麦
台風19号。
どこにも出掛けないことに決めた。
こんな日は蕎麦を打つぐらいしか能が無い。
無い袖は振れないけれど師が持たせてくれたキタワセの新蕎麦が手元にある。
さて、この日。
台風が運んで来た湿った空気。
これが曲者である。
延しの最中に蒸発する水分にも配慮して加水の加減をするのであるが、僅かでも加水が過ぎるとだらしの無い蕎麦が出来てしまうのである。
最小限の加水量を探り当て、覇気を駆使して生地を仕上げなければならない。
巷の蕎麦店はさておき。
ズル玉を打つようでは釣り師失格である。
ついでに言うと。
打ちたての蕎麦を包丁下と言う。
打ちたてだから美味しいかというとそういうワケでもなくて、少し時間をおいて馴染ませてから茹でた方がいいと僕は思う。
手繰り終える頃に雨足が増す。
風も巻き始める。
明け方まで続き、夜半が峠のようである。
ラジオはつけっ放し。
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