最強クラスの台風 被災地の光景 続編
黙っていても夜は明ける。
出水の翌日。
上空では早朝から多くのヘリコプターが飛ぶ。
地上では排水作業の甲斐あって、少しずつ水が引けたようである。
情報不足ながら人海戦術の安否確認を兼ねた救助が始まる。
自衛隊員に支給されるチェストハイウェーダーは透湿防水素材である。
遠方から来た取材者のようであるが、どのような報道がされるのであろうか。
停電中の被災地ではTVニュースを見ることが出来ない。
ラジオが手元にあるだけでも御の字とは言え、視覚的な情報がほしいところである。
因みに、二階俊博の発言を知ったのは後日であるが、バカを相手にしているヒマは無い。
水というものは低いところに流れ込む。
例外も無ければ忖度も無い。
夕刻。
家族を引き連れ師を訪ねる。
携帯電話の充電のためにコンセントを借りつつ、いつもの風呂場も借りる。
僅かな手灯りとロウソクでやり過ごす夜は長い。
いつもながらの煎餅布団。
今夜も畳の上で寝ることが出来る。
不平を言うようでは釣り師失格以前に日本人失格である。
平穏な日常生活。
それを支える均衡は脆い。
翌日の夜にガスが使えるようになり、翌々日に送電が再開する。
頗る速やかな対応かと僕はありがたく思う。
地域の復旧にはかなりの時間がかかるに違いない。
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