岩魚が笑えば膝も笑う
梅雨の中晴れ、この高地に住む寒冷地仕様の岩魚たちは、今頃になってやっと活性が上がり始める。
雨の合間をみて出掛けることであるから、天気にはよくよく気をつけなければならない。
一度入溪すると、夕方まで帰って来られない地形でもある。
釣りに費やす時間より、行き帰りの歩行時間の方がはるかに長い。
いい歳になって、わざわざそんな所まで・・・。
そうは言っても・・・ちらほらと先が見えてしまった釣り人人生。
要するにそういうことなのである。
この心情、わかって頂けませんかね。
ここまで苦労してやって来ると、釣りがとても忙しい。
そこら中から湧いて出る岩魚のおかげで休む間がない。
この日、この溪ではちょっとした人手不足である。
相談相手は時計の針。
写真を撮るのもなぜかもどかしい。
多分、片手にはいくつか届いていないと思うけれど、僕にしては上出来ではないだろうか。
膝が笑う。
腰が砕ける。
満身創痍。
にもかかわらず、ワサビ漬けなどを肴に昇天する刹那。
少しばかり、品の悪い笑みが漏れていることと思いたい。
早朝の日の出を思い出しつつ・・・。
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