クマの巣に 笑いし膝を 山笑う
新緑の季節には、日を追って溪の活性が上がっていくのが嬉しく思える。
木っ端岩魚ではあるが、狙い通りに釣れると嬉しい。
そう思うことにしている。
これも木っ端岩魚であるが、狙い通りに釣れるとやっぱり嬉しい。
そう思わなくてはならないと思うことにしている。
これはどうであるか。
欲張ってはいけない。
そう自分に言い聞かせることにしている。
そう言いつつ、肩に付いていた惚れ惚れするようなヤツに食わせ切れなかったことが心残りでもある。
そうこうしていると、ひんやりとした風が上流から吹いてくる。
そうなると、何をやっても無駄である。
まあいい。
少し早いが見切ってしまおう。
やらなければならないことが山ほどある。
こう見えても僕はけっこう忙しい。
まずこれ。
僕の好物であるが、はっきり言えば共食いである。
これの天ぷらはタラの芽を凌駕する。
これの天ぷらをカレー味の塩でやったら、その場で悶絶しちゃうかもしれないよ。
この時点で、今夜は天ぷら以外の選択肢は無いことになる。
さて、問題のこれ。
先週より数が増えているよ。
当然といえば当然であるが。
ここは単車でなければ入溪できない。
今思えば、少年時代に学校をサボって単車の免許を取っておいて良かった。
若いときの苦労は買ってでもするものである。
聞くところによれば。
この単車は目立つから、地元の集落では、いつも立ち寄っていく釣り師のことが時々噂になるらしい。
世間は狭い。
僕の氏素性が知れるのは時間の問題ではないだろうか。
釣り師というものは、どこに行っても滅多なことは出来ないのであるよ。
関連記事