愛想の悪い岩魚たち
このところの日柄はお世辞にも良いとは言えない。
「入渓のタイミングは入念に見極めなければならない。」
などと偉そうなセリフを吐いておきながら出向いてしまう釣り師の業。
わかっちゃいるけれど、ついつい。
身近な釣友を思うにつけ、腰痛、膝の不具合、軟骨の摩耗、痛風。
どれをとっても五体満足とは言い難い。
山岳渓流に関しては過去の人々である。
明日は我が身。
焦りの表れと思っていただければよろしい。
要するにそういうことなのである。
付き場は泡の底。
ドライフライの先にウェットフライを結んで泡にぶつけるネチネチした釣りである。
因みに、ネチネチした人間とのお付き合いは極力差し控えたいと僕は思う。
本題である。
思わぬところで思わぬ良型。
合わせ切れで持って行かれたのは意外なことにドライの方。
そもそもドライで掛けたいのが人情である。
泣き尺。
もう一本。
後にも先にもこれだけである。
ついつい見惚れてしまうけれど、これを食べるのは僕ではない。
帰りの道中。
単車の音に驚いて林道に飛び出したのは瓜ン坊。
これが咲くと山越えの季節なのだけれど。
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