外来魚が棲む湖で泳ぐ外人たち
稜線超えの源流に思いを馳せつつ悶々と過ごす日々。
普段、あまり口には出さないけれど僕にも安全基準というものがある。
自身で決めたルールは守らなければならない。
犯人は台風6号。
暑さと湿気に悶絶しながら体中にカビが生えちまいそうな週末。
そんな僕を外来魚の釣りに連れ出してくれたのがB場ちゃんである。
うっかり合わせると手前に飛んで来ちゃいそうな外来魚たち。
そうは言っても、ドライフライでやれるのが有難い。
釣っておいてこんなことを言うのもナンだけれど。
この類の外来魚。
出来ることなら素手で触りたくないと言ったら怒られるだろうか。
横目で見ているとB場ちゃんのサオはしなる回数が多い。
彼の釣果を超えることが僕にはなかなか出来ない。
そんな時。
ジャボジャボという水音。
大型魚ではなく外人の男女である。
明るい奇声から察するところ、入水自殺の類ではなくて、蒸し暑さに耐えかねて水浴びを始めたようである。
水面下ではどのようなことが執り行われているのだろうか。
偏光グラスで窺うにも限度がある。
どうせなら。
僕たちはこっちを選びたい。
日暮れ前のホタルはどこか大石内蔵助を思わせる。
さて。
枝豆が茹で上がった時の湯気の香り。
ほんの少しでいいから。
ご想像して頂くわけにはいきませんかネ。
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