腕利きの釣友 最悪の先客

SFM

2022年09月07日 20:41

野暮用を終えて釣り場に着いたのは昼過ぎ。
車停めには先客の車。
よりによってB場ちゃんの車である。
やれやれ。




沢に降りて間もなく犯人を発見。



日差しを避け、僕に背を向けて食べているのはコンビニのおにぎりである。


朝から釣り始めて、つ抜けたところでサオを収めて戻ってきたそうである。
泣き尺が釣れたらしい。
「大丈夫、多分また出ますよ。」
などと、一応は気遣ってくれている素振りであるが、どのような根拠があって言っているのだろうか。

咥え煙草で悠々と引き上げて行くB場ちゃんを横目で見送りながらサオを継ぐ。
「まあ、やってみるか。ダメ元で。」

僕にとってB場ちゃんは実に得難い釣友である。
けれど、釣り場の先客としては最悪の男である。
しかも前回の釣行で、この男は僕を差し置いて尺岩魚を2本も上げているのである。

このような男が往復した沢筋を釣ることになっちゃったわけである。
先客が釣った後はサオ抜けを狙えばいいなんて、そんな甘いことを言っていられる相手じゃないのである。


浮かべるだけでは心許ない。
沈めたり、しゃくったりと、先が見えない手探り状態。
不器用な男がネチネチと釣る。

すると、何かの拍子に掌ほどの岩魚が釣れてくる。










いつまでやっていてもキリがない。
ここは多少なりとも局面を打開しておきたいところである。
あまり使いたくはないけれど、覇王色の覇気を発動する。















少しは効いただろうか。


さて。
湯上りに大事件が発生する。




天然マイタケである。
しかも、僕にも少し分けてくれるというのである。




すき焼きの主役は牛肉ではなくマイタケであるよ。




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