子檀嶺岳などを歩いてみようと、釣友のB場ちゃんと連れ立って川沿いの道を向かう道中。
釣り人が並ぶ河原に立ち寄ってみたのはほんの気まぐれである。
源流志向の岩魚釣り師は世情に疎いから、ここがC&R区間になっていたことを、この時初めて知るのである。
聞くところによると、「釣-リズム信州」という地域活性化に向けた取り組みで、県の補助金を活用した事業なのだそうである。
昨年から実施しており、3年間やってみることになっているそうである。
ぶらぶらと見物などをしている僕たちに気さくに話かけ、漁場をとりまく現状を丁寧に説明してくれたのは、漁協の理事と思しき御仁と、この事業の立ち上げに携わったO澤さんである。
つい、時間を忘れて話しているうちに、O澤さんとは数年前にある渓で出会っていたことが判明する。
ここで僕は釣り師の縁というものに感じ入るのである。
O澤さんは、その筋では相当なbig-shotのようである。
この日のお題は子檀嶺岳。
形のいい里山である。
登るのはさして時間がかからないから頗る気楽である。
程無く山頂。
塩田平。
余談であるが、ここは「信州の鎌倉」ということになっている。
名称を考案して広めたのは、当時の上田市の職員で商工観光部観光課の責任者である。
昔、本人が講演会で話していたことだから多分間違い無いと思う。
先週登った浅間山とB場ちゃん。
敢えて多くは語るまい。
この辺りでは地面から大変なお宝が出るに違いない。
そうでなければ止め山にする理由が無い。
さて、山里にある温泉場。
僕は共同浴場のような風呂場が好きなのである。
これが効能書きであるが、僕の体にどんな変化が表れるのか楽しみである。
こんなに安くていいのだろうか。
つい、心配になって、番台のお姉さんに聞いてみたところ、利用客が多いから湯銭が安くても大丈夫で、さらに組合員はタダなのだそうである。
その上、集計してみると、組合員各位には相応の分け前が分配されるそうである。
このお湯に適した入浴時間は30分以内だそうであるから、回転率も良いに違いない。
かくいうお姉さんも、ここのお湯が気に入って通いつめるうちに、番台に座る側になっちゃったそうである。
肝心の泉質はどうであろうか。
僕などがいちいち能書きを並べたてるのは野暮である。
入れ替わり立ち代わり、利用客が絶えないことをご覧いただくだけでお察し願えることと思う。
さらに聞けば、湯量が豊富で、加温したり水を足したりしなくてもいいらしいから、燃料費や水代もかからないに違いない。
某合衆国の大統領がどう喚いたところで、このお湯は素知らぬ顔でこんこんと湧出して利用客を癒し続けるのである。
風呂上がりに見返りの塔。
道草三昧の一日。
陽が落ちるのが早い。