虚空蔵山 村上連珠砦
天候が安定しないこの日。
東京では大雪の予報。
わざわざ山などに登らなくても良さそうなものだけれど、釣り師は日頃の運動不足のツケを払うのである。
虚空蔵山の登り口はいくつかあるけれど、僕たちが取り付くのは墓地である。
ここは鼠という地名であるが、墓石の陰からネズミ男が登場するわけではない。
陽の当らない斜面を黙々と歩く。
身体中からギシギシと軋む音が聞こえるようである。
この穴はキツツキが穿ったに違いない。
和合城跡。
この日もB場ちゃんが相方になってくれたのである。
振り返って和合城跡を見下ろす。
小雪が舞う尾根歩きが始まる。
高津屋城跡。
次も同じ名前の山城跡。
やれやれ。
虚空蔵山山頂。
比類なき眺望である。
敢えて多くは語るまい。
虚空蔵山城跡。
帰路、膝を庇いながら下山するB場ちゃんである。
どうにか膝は持ちこたえたようであるが、万一の場合はカニのように横歩きをしなければならない。
車に戻り、B場ちゃんが落としてくれるのは暖かいコーヒー。
持つべきものは釣友である。
源泉掛け流しで生き返る。
実に辛かった真冬の一日。
暦の上では春だけれど。
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