ナチュログ管理画面 フライフィッシング  フライフィッシング 北陸・甲信越 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2021年07月11日

岩魚を数える計算式

変異株。
線状降水帯。
梅雨が明けた暁には連日の酷暑。

我が祖国には、果敢に立ち向かったり、穏便にやり過ごしたりしなければならない事案が山積みである。
全国津々浦々に到るまで忙しく、且つしんどいのである。

ご他聞に洩れず、岩魚釣り師も忙しい。
上述の天災並びに人災はもとより、実家の野暮用、隣近所の役回り、その他諸々。
要するに、トーマス・バッハなどに構っているヒマは無いのである。


どうにか漕ぎつけた僅かばかりの釣行のチャンス。
雨上がり直後の流れは、ご覧のとおりけっこうな濁り具合である。





そこで、致し方なく手持ちの毛鉤をぐちゃぐちゃにして、流れに絡めて沈めてやると、どういうわけか三投目か四投目ぐらいで釣れてくる。


1匹目。





2匹目。





3匹目まではいいけれど。





4匹目からは、いちいち数えるのが面倒になって、どうでもよくなってきちゃうのは毎度のことである。





聞く所によると、オーストラリアではカンガルーなどを数えるのは3頭までで、4頭以上になると、「一杯いるよ。」ということになるらしいのである。

岩魚釣り師も「一杯釣れたよ。」で済ませたいところである。

一杯釣れればの話であるが。

まあいい。



さて。
氷河期以来、人の手を介さずに繁殖を繰り返してきた結果がこれである。




七寸程度の木っ端岩魚ながら、痩せても枯れても天然岩魚である。

などと、わざわざ取り上げたのはワケがあって、秋口に産卵活動に初参加するのがこのあたりからということになっている。


仮に、この岩魚が翌年に10匹程度の稚魚の増殖に寄与するとして、その子孫がネズミ講式に増殖するとしたらどうなるだろうか。

一年後には10匹。
二年後には100匹。
三年後には1000匹。


理屈か屁理屈かは別として。
今、この時。この木っ端岩魚を死なせてしまうと、数年後に大繁殖する予定の莫大な水産資源を失うことになるらしいのである。


この計算式に基づいて、5年後あたりの数値を目安に、開発関係者や密漁者を相手に多額の補償金の支払いを持ち掛けたらしい某おっさんは既にこの世の人では無くなって久しい。

けれど、いまだにごく一部の信者からは、川の守護神の如く奉られているフシも無いわけではなさそうであるが、見えないところで動くカネの匂いには殊更に敏感だったに違いないと、つい思っちゃうのは僕の私見である。