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2017年02月27日

天川荘に集う迷フライフィッシャー達。

天川荘という温泉宿は北信濃の山合いにある。
僕達がこの宿に出入りし始めてから十数年経ってしまった。
初めの頃は、宴会場にフライロッドを持ち込んだり、タックルの売買、物物交換が横行していた。
僕も当時は微かに物欲が残っていたから、かなり実践的な竹竿をタダ同然で入手したこともあった(もう手放さないけどネ)。


とはいえ、お互い平等に歳をとった。
だけどそこは釣師の性分で、この数年僕は、一足早く出掛けて行って、一番風呂に入るのが習わしになっている。
ここは外湯もたくさんあるし、露天風呂も乙だと思うけれど、僕はいつもの内湯を一人占めしたい。
ぅぁぁぁ・・・とか、呻き声や喘ぎ声だって我慢しなくていいのである。

源泉かけ流し。少し熱め。このお湯は僕を温泉依存性に仕立てた張本人でもある。


あとはいつもの部屋で寝転んで、伸びたり縮んだりして友人たちが着くたびに、片方の目をほんの少しだけ開けてうつらうつらしていればよろしい。
宿泊客じゃなくて居候のような気分だ。

僕はこの宿の料理にはすこぶる弱い。


詳しい説明なんて、そんな野暮なことをするもんじゃない。
ご自身で味わっていただくのが一番であると申し上げたい。




敢えて付け加えると、お酒は適度に併せなければならない。
それをしないと損をする。
大きな何かを失う。
人生のバランスシートの帳尻が合わなくなってしまうのである。
(どこかで聞いたことがあるでしょ。)




締めは蕎麦。


この蕎麦、何も心配はいらない。
ただ手繰っていればよろしい。

 さてさて、部屋に引き上げてからも、皆さまそれぞれに、まだやることがあるのである。
大釣りをした釣師に、取調べさながらの聞き取り調査に始まり、ウィスキーをちびちびとやったり、温泉に入り直したり、歳相応に大人しくなったとはいえ、なかなかに忙しいようである。

物の本によると釣師には、酒と色がつきものであるというようなことが書かれているけれど、この釣師たちに限っては(一名を除き)酒はさておき、色に関わる話題が皆無と言い切ってよろしいかと思う。
長年に亘って(一名を除き)それらしいネタを含んだ話が出たためしがないのである。
もっとも一皮剥いてみれば、その下はどうなっているか分からないけれど、要するにそういうことなのである。
老若に拘わらず、毛鉤釣りを嗜む女史各位は、各地に点在なさっておられることと思うのだけれど、この男釣師たちは(一名を除き)紳士的かつ安全であると申し上げておきたいと思う。
多分・・・僕も含めて。

(注)ここで(一名を除く)ことに、賛否が分かれるところではあるが、客観的事実の隠蔽に繋がる可能性が否定出来ないとの観点から、(一名)の人権にも配慮しつつ、記載した次第である。
釣師には品格が必要なのである。と僕は思う。

この釣師たちは、夜更しのくせにけっこう朝が早い。
朝風呂に入ったりもするのである。
勿論、僕も入るけれど。

朝食。


なかなかのものであるが、
実際、彼らは食べきり、ご飯のおかわりまでするのである。

その後は、薄日が高くなり始める頃合に、めいめいに散っていくのである。

今年、彼らにはどんな釣りが待っているのだろうか。
  


2017年02月23日

仕事中に入る温泉ほど乙なものはない。

さて、今日やって来たのは冬季クローズ中のオートキャンプ場。

一応、曲がりなりにも仕事なのである。
僕だって仕事ぐらいはする。





仕事は手早く済まさなければならない。
この後、僕は忙しいのだ。
ここから程近くの日帰り温泉に行こうと目論んでいるのである。

この温泉に、機会があれば行ってみたいと思っていたところに、この仕事の依頼を受けてしまったのであるから、ありがたいやら申し訳ないやら。

ここは、それなりに標高のあるキャンプ場で、隣に湧き水の池がある。

岩魚がいることになっているらしく、キャンプ場の利用者は釣りをしても良いことになっているのだそうである。

だけど、キャンプのついでにちょっと竿を出したぐらいで、そう簡単に釣れるもんじゃないことぐらいは経験上、僕には痛いほどわかる。
などと考えているうちに仕事は終わってしまった。

このあとナニをどうするかを考えなくてはいけないのだが、それは後で何とでもなる。

キャンプ場脇に、可愛い杉並木のある神社を見つけた。




さあ、温泉だ。






やっぱり客は僕だけだ。やったね。




僕は仕事中に温泉に浸かるのが好きだ。
世間の人々が仕事をしている時に、僕は人知れず風呂に入っていると思うと、とてもこたえられない。
おまけに今日の湯船は独り占めだし、特にこの時期はお湯が身に沁みる。

後は頃合いをみて、素知らぬ顔で職場に戻ればいい。

そう、この近くには、分不相応に気立ての良いお嫁さんを貰った
三十年来の古い友人が住んでいる。
彼のお母さんが作った野沢菜漬けは素晴らしい。
あのお母さんはお元気だろうか。


道沿いを注意して見ていたけれど、ふきのとうは見つからなかった。
あと、もう少しかな。


  


Posted by SFM at 20:21Comments(0)釣り師の日常

2017年02月20日

 移民の歌

年代を露呈させて恐縮ながら、
今日思い出してしまったのはレッド・ツェッペリンの移民の歌。
サード・アルバムに収録されている。
アルバムジャケットが回転する例のアレである。
そこの貴方、懐かしいでしょ。

探してみたけれど、サード・アルバムが見つからない。


多分、誰かに貸したままだったんだろうけれど、
どこの誰に貸したのかも忘れてしまった。
確か、プレゼンスもあったはずだけど、
まあ、いいや。レコードプレイヤーも無いことだし。

少年少女の諸君が、この世に生まれるより遥か昔の物語であるが、この曲はブルーザー・ブロディ(故人)の入場曲に使われていたことがあった。

余談であるが、彼とタッグを組んで、日本のリングを席捲したジミー・スヌーカも先日、故人の仲間入りをしたと新聞で知った。

さてさて、実はこの曲が意外なことに、釣り人にも好まれたというのが、今回のお話しなのである。

20年以上前に目を通していた釣り雑誌は、フライフィッシングの記事が多く編集されたもので、当時はなかなか貴重だったのだけれど、その月の特集のひとつが、あなたが釣りに出掛ける時に似つかわしい音楽は何であるか、というアンケート企画。

内容はほとんど忘れてしまったけれど、移民の歌の得票率が特に際立っていたことが以外だったので印象に残ってしまったのである。

毎月グラビアに掲載されていた当時のエキスパート達にもこの曲の支持者が数人いた。

お聴きになったことのある方はご存知のとおり、この曲はけっこう攻撃的な曲調で作られている。

強力な破壊力を備えたジャンピング・ニー・ドロップが売りの、ブルーザー・ブロディの入場曲に使われたくらいであるから、攻撃的と言って差し支え無いと思う。

キャッチ&リリースを励行し、一見したところ知的な、現代フライフィッシャーの何割かは、激しい攻撃性を帯びたハードロックを好んだのである。

貴方が川で偶然出会った、絵に描いたような紳士面の本性は、以外に攻撃的かも知れないのである。
逆に、苦りきった強面のおじさんが、以外にもボサノヴァの女性ボーカルを連想させる穏やかな心の持ち主かもしれないのである。

ブルーザー・ブロディであるが、彼らの全国興行の折に、僕は実物を見て、なお且つ触れてみたことがある。
リングの上とは打って変わり、地方での興行先に群がる少年であった僕と、快く握手に応じる気さくなおじさんであった。

人を見かけで判断してはいけない。

さて、貴方の釣りはどんな曲がお似合いですかネ。
  


2017年02月15日

時間が止まる。記憶が甦る。刺身が半額!!

この道を通ったのはずいぶん久しぶりだ。
仕事の合間の移動の途中である。
地方の在来線に沿った路地であるが、こんな建物があったことを、この日まで全く気付かなかった。



僕には時間が止まって見えてしまった。
この歴史のありそうな建物で、絶えることなく黙々と家業が営まれていることと思わせられる。

暫し見とれていると、ふと三十年くらい前の記憶が甦ってしまった。

ここから程近い山裾に、一軒のお寺がある。
当時、僕が働いていた職場の上司に連れられて、一度立ち寄ったことがある。
その職場は今はもう無いし、親子以上に歳が離れていたその上司もずいぶん前に亡くなられたと聞いた。

訪ねてみようか。
そうしよう。
そういうことにしよう。

仕事には常にゆとりというものが必要なのである。

さて、三十年振りの道筋を思い出さなくてはならない。

それでも、釣り師特有の土地勘を発動したら、難なく行き着くことができた。



記憶は曖昧になってしまったけれど、確かにこんなお寺だったことを少しずつ思い出すことができる。
きれいに手入れをされているところはあの頃と変わらない。


まだ気温は低いけれど、今日の日差しはとても明るい。
この季節にこんな日はなかなか無い。



やっぱり仕事なんかやってる場合じゃない。

ここは厄除けの祈祷所でもあるようだ。
今まで僕は、この類のものを別段気にしたことはないけれど、折角だから見て行こう。



どれどれ、僕の年周りはさして悪いことは書かれていないようだ。
むしろ、良いことが書かれている。
さらに、「目上の意見ある時は素直に聞くべし」とある。
至極、最もなことではある。


時折、仕事帰りに買い物を仰せつかる時がある。

家人の類は目上ではないけれど、釣師の立場は常に脆弱なものであるから、致し方なく近所のスーパーなどに立ち寄るのであるが、この日、この時、僕の目の前でヒラマサの刺身が半額になっちまったのである。

目ざとい釣師がこれを見逃すわけが無い。



ほら、いい事あったでしょ。
  


Posted by SFM at 20:42Comments(0)釣り師の日常

2017年02月11日

岩魚ファーストの釣りへ、釣り人第一主義からの脱却

釣場で第一に考えるべき事、目を向けなければならない事。
渓の環境やマナーのこともあるけれど、身近なところで釣り人自身の置かれた立場。

岩魚さま(山女魚さまでもいいのだが)が遊んでくれないと釣りが成り立たないということ。

溪での主権者は岩魚さまであると僕は思う。

岩魚とは一度きちんと胸襟を開いて、話し合いの場を持ちたいと思うのだけれど、それは多分出来そうにない。
だけど、岩魚の視点に立った釣りを粘り強く実践していれば、きっと物事はうまくいく、と思いたい。

溪で一日中飽きることなく、竿を振っているだけで幸福感を得られればそれに越したことはないのだけれど、そうは問屋が卸して下さらないから、対魚関係に配慮しつつ、日々模索を続けなければならないのである。

例えば、釣友諸氏が三人で、来月のある日に一緒に釣りに行こうと計画を立てたとする。
各人共に、家庭環境、仕事の段取り、隣近所の役回りなど、万障繰り合わせの上、来月のその日は揃って各々期待を秘めつつ某所に入溪する運びになる。
ところが某所に居を構えておられる当の岩魚にとっては、御三方のスケジュール調整の努力など知ったことでは無いのではなかろうか。
岩魚にとっては、そんな事よりその日の水量、水温、気候、天候、水陸を問わず昆虫の発生状況など・・の方が重要なのではあるまいか。
そもそも前月の時点で、釣り人諸氏が一方的に強行採決した「その日」自体が適正かどうかも怪しいものだ。
岩魚は、釣り人達の都合にわざわざ付き合ってやる義理など、さらさら無いと言っておられるのではあるまいか。

この渓は深い、仮に御一行様にここまでお越しいただくには、各位睡眠時間を大幅に削減願った上に、多額の費用を投入して頂かざるを得ないのであるが、費用対効果は得られるのであろうか。


加えて、日々発生している「遭難へご招待!」という抽選券を、もれなく受理して頂くことが御一行様に義務付けられているのである。

さらに、この流域のツキノワグマの生息密度の濃さは、全国でも折り紙付きであることも念頭に置いて頂く必要がある。
ツキノワグマのみならず、近年は大型化したイノシシの進出も著しい。

写真は一昨年に見つけてしまったイノシシの死骸であるが、推定された体重は90kgから110kgの間である。(某地方行政・森林整備担当職員の写真判定による。)

万一、このクラスの実力者に敵意を持たれた場合、御一行様に求められるのは、週刊少年ジャンプの登場人物と対等に渡り合える高い戦闘能力である。

不躾ながら、身も蓋も無い話になってしまうけれど、岩魚ファーストの視点に立って頂くとすれば、謙虚且つ、冷静な分析であるとご評価願いたいところである。

道具立てについても考えてしまうのだが、「日本の渓流での使用を前提に独自のテーパーをデザインして素材の弾性を徹底的に分析、ビギナーから熟練者まで幅広くご満足いただける・・。」こんな竿が発売されたとする。
釣具メーカーは釣り人の視点に立って製品を製造、販売をするからそれはごく自然な事だ。
早速、日本の渓流で使用する貴方さまは、その素晴らしい竿を入手するのだけれど、ご自分が満足するための竿だと思わない方が賢明ではなかろうか。
岩魚さまに満足して頂いて、初めて釣り人は恩恵を受けられると考えた方が、物事が良い方向に向かうのではなかろうか。

さらに言及すると、岩魚にとっての選択の基準は、(多分)適合したフライの的確なプレゼンテーションと流し方の技術である。他に目につくのはせいぜいティペットの影響ぐらいのものだ。竿なんか何だって良いと思っているに違いない、と思う。
大事なのは道具より腕だよと言うに違いない、と思う。

彼の眼がそう語っているようではありませんか。


解禁前はこんな具合に、内心では岩魚第一主義を掲げて日々を過ごすのだけれど、盛期になった途端に本質を見失うのは毎年のことだ。
結果、キャスティングが崩れて、立て直しに多大な労力が必要になるのである。
自らを戒めて釣りに勤めなけらばならない。

岩魚さまの支持を得られなければ僕は釣り人を失職することになる。
いやいや、むしろ釣りなんか辞めた方がより多くの岩魚の皆様に喜んで頂けそうではあるが・・・。

  


2017年02月07日

Smoke on the angler 燻製を作る釣師は煙にまかれるものであること

 生ハムの仕込みをした。
仕込みと言っても塩を塗り込めたり、ソミュール液に漬けるだけ。
あと10日以上何もすることがない。






元々、燻製作りを始めたのは、冬の間はフライを巻きためていても、ときには空白の時間が出来てしまうから、何か思い切って手間隙をかけたものを作ってみようと考えたことが始まりだ。

いくつかの燻製を作っているうちに僕の好みは冷燻だとわかってきた。
半日程度でそそくさと作ってしまう燻製も何種類か作ってみたけれど、やっぱり僕は冷燻の方がいい。
燻製作りを通じて、その頃に娘のクラス担任だった先生と懇意になったこともあった。

生ハムは仕上げるまでは三週間程かかるけれど、実際にやってみると予想に反してほとんど僕のやることは無いのである。
漬け込みに十日少々、風乾に数日、燻煙は数時間、また風乾を数日、と日を費やすのであるが、僕の仕事は漬け込みと燻煙だけだから、ほとんど片手間で出来てしまう。
一番仕事をしているのは漬け込み期間と風乾を担当する我が家の冷蔵庫なのである。
きちんとしたものを作ろうと思うほど、僕が手持ち無沙汰になり冷蔵庫が活躍することになる。ただ放っておくだけでいいのである。

「休日の午後、燻製作りに勤しむ冬の釣り人」という先入観は、全く当てはまらなかったようである。

釣師は、自分が熾す煙にもまかれてしまうのである。

温泉でも行って来ようかな。
  


Posted by SFM at 19:54Comments(0)釣り師の日常

2017年02月03日

カレーライスと冷酒の不思議な関係

信じられないようなことだけれど、世界は広い。
以前、酒問屋さんと話していたとき、カレーライスと冷酒が微妙に相性が良いという事を教えられた。
「?・・・」と思ったけれど、そこは一呼吸おいて、
「へぇー、そんなもんなんスかねぇ。」とかなんとかその場はお茶を濁す。

カレーライス、嫌いじゃないけれどわざわざ食べたいものじゃない。僕は汗をかきやすい、不要な汗はなるべくかきたくない。
日本酒だって苦手ではないにしても、そうそう得意な相手でもない(ホントかネ)。
だけど日頃から大量の酒類を取り扱うプロが言うことだ。試してみようかな。

レトルトだけどいってみよう。



なるほど・・・。
プロの意見には素直に耳を傾けなければならない。

カレーの国にいるO野さん、お元気ですか。これ、お勧めですよ。
  


Posted by SFM at 19:20Comments(0)釣り師の日常