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2022年09月27日

偶然の産物 禁漁直前の尺岩魚

今期の最終釣行は台風が過ぎた翌日。
上流域では水が引けるのが早い。



相方はB場ちゃんである。
相変わらずの咥え煙草。



ここは今年の春に、高齢者でも釣りが出来るようにと、二人で藪を刈ったりロープを設置するなど、ルートを整備したところであるが、当の高齢者たちが入渓することは叶わなかった。




水温は概ね適正な範囲に収まり、秋の荒食いに期待が高まる。


ところが、半日やって釣果は小岩魚一匹である。



B場ちゃんの釣果も一匹である。


つい、煙草の本数が増える。




これでは長い禁漁期を悶々と過ごさなければならない。
多少なりとも状況を変えておく必要がある。

そこで、渓魚の声に真摯に耳を傾け、丁寧なプレゼンテーションに向けて最大限の努力をする。
などと言うのは偽善者の台詞である。

正直者の釣り師としては覇気を使わざるを得ない。



致し方無く放った覇気であるが、効き目は今一つ。
釣り師として不徳の致すところである。

九寸以上、泣き尺未満が一本。


尺超えが一本。



この日に釣れたのはこれだけである。


最後に尺岩魚が釣れたのはいいとしても、偶然の産物かも知れないのである。
もっと確実に数が揃うに越したことはない。

複雑な心境で釣りを終える。


帰路。
さっきまで無かったこの足跡。



若グマと思われるが、通過したのはつい今しがたに違いない。



秋の一日が終わる。




  


2022年09月21日

台風前日 岩魚より落葉の方がよく釣れた

近年の台風は始末が悪い。
蹲って通り過ぎるのをやり過ごせばいいってもんじゃないらしいのである。
以前、直接の被災はせずに済んだけれど、そのあたりの実状は僕にもよくわかる。


さて、過去に経験のない規模の台風が九州に上陸。
遠く離れた沢筋にも暖かく湿った空気が流れ込んでくる。


頻繁に風向きが変わり、ざわざわと木々を揺らす。
渓魚の情緒は不安定。

この台風は大釣りに繋がるわけではなさそうである。








忘れた頃に釣れてくる。






あまり深く考えずに中小の岩魚をポツリポツリと拾い歩く。






この岩魚を掛けるためのキャスト回数は10回以上。







ところ構わず火を熾さずにいられない損な性分。




禁漁も近いことだし、早めのお開き。




藪の中からブルブルという音。
蹲っているのはカモシカだろうか。




蝉の声が消えて秋の虫が鳴く。



  


2022年09月17日

浮かべても沈めても 小魚天国

真夏に上がった水温はなかなか下がってくれない。
出ないわけではないけれど、はっきり言って出方が悪い。

ついでに言うと逆光が眩しい。




仕方なく流芯を叩いて波や白泡に毛鉤を絡ませる。
浮かぶかも知れないし、沈むかも知れない。
所詮は毛鉤。
なるようになればいいのである。

などと、釣りに行くたびに不平不満を垂れ流しているけれど、そう悪気があって言っているわけではなく、持って生まれた性分なのである。
思い通りにならなくても、僕には釣りぐらいしかやることがないのである。


一応は水中の様子を想像してはみるけれど、結局のところ自分自身に都合よく解釈して、釣れたような気がしたらサオを上げてみるという投げやりな釣りである。

そのようないい加減な釣り方でも時には鉤先に魚が付いてくることがある。
そこで釣り師は味を占めちゃうのである。








相変わらず小魚ばかりで釣り応えに欠けるけれど、着実に次世代が育っている証でもある。









このあたりが極めつけである。





時節柄、お腹の中にはけっこうな筋子や白子が蓄えられつつあるに違いない。



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其処彼処で産卵が近いことを感じさせる水面の気配。








帰路。
つい先刻、ここで殺されたのはカケスに違いない。




何だかいつもより熱いね。



  


2022年09月12日

文句を言わずに岩魚を釣る

昼下がり。
そそくさと釣って、手早く切り上げて帰ろうと思いながら来てみたところ、思いの他アタリが少なくて予定が大幅に狂っちゃった。





どれも掌に乗るような木っ端岩魚であるが、大方は口の外側や目玉の脇に掛かってくる。
水底から垂直に毛鉤を突き上げて帰って行くところ見ると、水中でも辛い夏が長く続いているらしい。






そのあたり、僕に責任があるとも思えないけれど、「状況を真摯に受け止め、初心に帰り、丁寧に説明を尽くす。」などと、口先だけでも言っておけばこの国ではどうにでもなっちゃうらしいのであるが、釣り師はそれでは済まされないわけで、地道に足元の泉を掘り下げる努力をしなければならない。


まあ、スレであれ何であれ掛かっちまったものは仕方がない。
寡黙に小岩魚を釣ろうと決心した矢先に何故か釣れちゃった良型。
また予定が狂った。






産卵の準備が順調に整いつつあることがよくわかる。


日が短くなってきた。
足元が明るいうちに帰ろう。
咥え煙草で。




よしよし。





  


2022年09月07日

腕利きの釣友 最悪の先客

野暮用を終えて釣り場に着いたのは昼過ぎ。
車停めには先客の車。
よりによってB場ちゃんの車である。
やれやれ。




沢に降りて間もなく犯人を発見。



日差しを避け、僕に背を向けて食べているのはコンビニのおにぎりである。


朝から釣り始めて、つ抜けたところでサオを収めて戻ってきたそうである。
泣き尺が釣れたらしい。
「大丈夫、多分また出ますよ。」
などと、一応は気遣ってくれている素振りであるが、どのような根拠があって言っているのだろうか。

咥え煙草で悠々と引き上げて行くB場ちゃんを横目で見送りながらサオを継ぐ。
「まあ、やってみるか。ダメ元で。」

僕にとってB場ちゃんは実に得難い釣友である。
けれど、釣り場の先客としては最悪の男である。
しかも前回の釣行で、この男は僕を差し置いて尺岩魚を2本も上げているのである。

このような男が往復した沢筋を釣ることになっちゃったわけである。
先客が釣った後はサオ抜けを狙えばいいなんて、そんな甘いことを言っていられる相手じゃないのである。


浮かべるだけでは心許ない。
沈めたり、しゃくったりと、先が見えない手探り状態。
不器用な男がネチネチと釣る。

すると、何かの拍子に掌ほどの岩魚が釣れてくる。










いつまでやっていてもキリがない。
ここは多少なりとも局面を打開しておきたいところである。
あまり使いたくはないけれど、覇王色の覇気を発動する。















少しは効いただろうか。


さて。
湯上りに大事件が発生する。




天然マイタケである。
しかも、僕にも少し分けてくれるというのである。




すき焼きの主役は牛肉ではなくマイタケであるよ。



  


2022年09月01日

カジカが釣れたよ

日中の暑さはさておき、寝苦しさが和らぎ、凌ぎやすくなった。
暦の上では秋である

近年では季節を先取りすることが難しくなっちゃったけれど、秋が近づくとカジカに逢いたくなるのは和の国の釣り師としての心情である。

そこで、某内水面漁協の総会資料を調べてみると、カジカの産卵床整備事業の記載がある。
さっそく某組合に電話を掛けて訊ねてみたところ、組合長が対応してくれて、産卵床整備に拘わる実績はともかく、僕にとってはここが重要なのであるが、うまく話を逸らすあたり、組合長の肩書きは伊達じゃなさそうであるネ。カジカはこの流域のどこにでもいるそうで、解禁の頃はマス釣り師のイクラに食いつくカジカがいるらしいのである。

そうは言っても、多発する大規模な豪雨災害やその後の河川工事。
僕としては、カジカの魚影の濃い場所を聞きたかったのであるがね。
まあ、世の中はそんなものである。

要するに、近年では放流マスや外来魚の類に人生の大半を捧げる釣り師は多いけれど、カジカのような魚種は見向きもされないらしいのである。
それはそれで僕にとっては好都合ではあるがね。

この日、ダメ元でやって来たのは人目に付かない河原である。



本流から差したと思われる小魚が走り、川蜻蛉がひらひらと飛ぶ。
僕はこのような里川で過ごした経験が乏しい。

餌はクロカワムシである。
カディスラーバだかヒューパだか忘れちゃったけれど、要するにトビゲラの幼虫で、石の裏に小砂利を固めて住んでいるアレであるが、わざわざ小難しく横文字を並べ立てる必要はない。
石をひっくり返せば済む話である。
などと言うと、カディスパターンに精通されておられるFF業界の長老に怒られるだろうか。

八月下旬。
水温はまだ高い。
生温さが沢靴越しに伝わってきて何だか気色悪い。

それでも石と石の隙間にカジカはいた。






二時間ほどやってみたけれど、釣れたのはたった一匹である。

それでもカジカが棲んでいることがわかっただけで僕は嬉しい。


道草をせずに帰って、手酌でやろう。
  


Posted by SFM at 21:09Comments(2)他の釣り