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2022年04月24日

冬眠明けの岩魚釣り師

昨年秋の禁漁以来、凡そ半年間にわたり動かざること山の如し。
しかも酒浸り。
こうなっちゃうと最初の一歩を踏み出すためには多大なエネルギーが必要になるのは毎年のことで、山国の釣り師が抱える慢性的な課題でもある。

釣行に先立ち、自身の遡行能力のチェックのため、雪の春山に出向いたわけであるが、大汗を掻き、息も絶え絶え。
山頂に辿り着くにも這う這うの体である。



年を重ねるごとに大切なものを失っていく実感。
これまでも自覚してはいたけれど、その場しのぎの覇気などで補いつつも、どうにかやり過ごしてきたわけであるが、いつまでもそのようなことが続けられるわけではなさそうである。
認めたくないけれど、認めざるを得ない時期にきているのではないだろうか。

今まで出来ていたことがある時を境に出来なくなっちゃう喪失感。

リハビリに係わる業界によると、一度失ってしまった身体機能を回復するには多大な時間と労力が必要になり、100パーセント元通りになるケースは稀であるそうである。


曲りなりにもこの山は深田百名山の一座ということになっているそうであるが、岩魚釣り師にとってそのようなことはどうでもよろしい。



山頂で快哉を叫ぶ登山客たちに話し掛けられるまま、適当に相槌などを打ち、さも健やかな登山者精神を備えた岳人の如く振る舞ってはみるものの、岩魚釣り師の心中は複雑なのである。

本来であればもう一本、花の百名山をやってしまいたいところであるが、ここは大事をとって見合わせた方が良さそうである。



いずれにせよ、今の季節に花など咲いているわけがない。

などと思いつつ、下山にかかるのであるが。
ふと、生ける屍の如き釣友たちの体たらくが目に浮かぶ。
彼等を思えば、僕に残された釣り師としての余生は多少なりとも自立したものであると思えてくる。
まあ、このような悪態がつけるのも親愛なる我が釣友であってこそなのである。
ただ、この類のことは素面で言うべきであって、酒の力を借りて毒を吐くようでは人間失格である。

まあいい。
いずれ渓谷に降り立った瞬間、釣り師の根性が入れ替わり、常人の概念を超える覚醒が起きればいいのだが。



  


Posted by SFM at 20:25Comments(2)トレッキング

2022年04月13日

カラスの巣 アケビの巣ごもり

某所、照明設備にかけられたカラスの巣である。

その実態はどうであるかというワケで現状確認。

酔狂にも程があるとは思いつつも、人様に頼まれちゃうと余程のことがなければイヤとは言い出せない小心者の岩魚釣り師がここにいる。



見れば、指ぐらいの太さの枝で外殻を作り、中間に小枝、内側は枯れ草や杉の皮などを使って緻密に設えてあり、適材適所の極みであるであると僕は思う。

カラスの巣を上から見るのは初めてだけれど、卵はなぜか緑色である。


さて。
この季節にふさわしくない連日の夏日は急速に桜を咲かせてくれたけれど、その反面、すぐに散らせてしまうに違いない。


季節柄、ついついその気になって渓に出掛けて行きたくなる気持ちはよくわかるけれど、実際に現場に立ってみれば山国の渓はそう甘くないことぐらい僕は身に沁みている。

恐らくではあるが、条件が整わない小渓などに赴き、僅かな渓魚を辛抱強く拾い歩いているであろう釣友たちの姿が目に浮かぶ。
自身の若かった頃を見るようである。
因みに彼らは同世代ではあるがね。

いずれ経験が生きて、場が読める時が来る。
日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ。

などと、釣りにも行かずに、自身に都合の良い理屈ばかりを並べ立てて、自堕落な日々を過ごしている僕が首を長くして待っていた初物はアケビの新芽なのである。

さらに、ゆえあって雪室貯蔵の純米大吟醸が僕の手元にある。
しかも、よく冷えているのであるよ。



さっそく仕立てたアケビの新芽の巣ごもり。
どこかカラスの巣を思い出しちゃう。

ところで。
しばらく続くであろう酒浸りの日々。
抜け出せるのはいつになることやら。
  


Posted by SFM at 20:47Comments(0)釣り師の日常