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2023年03月23日

釣れちゃいけない早春の岩魚

少なかった降雪量に加え、このところの陽気で雪解けが進む。
解けるべき雪が既にどれだけ残っているのだろうか。
渓への妄想というものは常に自己中心的なのである。

大して釣れるわけではないだろうけれど、満更釣れないこともないだろう。
などと甘く考えて出掛けてはみるものの、完膚なきまでに打ちのめされるのが我が身も含めて釣り師の業であり、この季節の風物詩とは本来そういうものである。

よろよろと降り立った沢筋。
相応の残雪ではあるが、遡行には支障なさそうである。



流木を集め、火を熾してやり過ごす。






水が緩んだ頃合。














釣っておいてこんなことを言うのもどうかと思うけれど、3月中旬である。
このような時期にこのような渓谷で、そうそう簡単にというわけではないけれど釣れちゃうようではいけないのである。

盛期は早くやってくるだろうけれど、後が続かないに違いない。
いずれ、悶絶させられる我が身が目に浮かぶ。
複雑な心境と言わざるを得ない。

人類が載っている薄氷は急速に溶け始めていることになっており、高地を流れる沢筋も気候変動の影響と無縁ではいられないようである。
米国と中国は覇権争いをしている場合ではないというのが和の精神をを重んじる釣り師としての総合的かつ俯瞰的な見解である。

カップ麺に限らず、あらゆる物価の高騰。



食糧、燃料、消耗品、その他諸々。
釣行にかかる経費がかさみ、釣り師の暮らしを圧迫する。


どうにかこうにか這う這うの体で急斜面を登り切った帰路。
息が切れて息が切れて。
死ぬかと思った。



冬の間、自堕落に過ごしていた報いである。
今まで出来たことが出来なくなっていく喪失感を味わうのもこの季節の風物詩。





  


2023年03月19日

解禁日の情景

大勢の釣り師が立ち並ぶ解禁日の里川。





小心者の釣り師ゆえ、このような人混みに割り込むなんて僕には無理である。

釣り師たちの観察をしつつ、通りかかった年配の監視員を呼び止めて、思いつくままに放流状況、今後の放流計画、遊漁者のタチの良し悪し、漁協の内情、その他諸々。
その類のことを尋ねたりして教授を賜る。
誘導尋問ではない。
この漁場を司る監視員の声に丁寧に耳を傾ける釣り師かここにいる。

間もなく釣り師たちが次々と帰っていくあたりを察するところ、いずれも釣果は芳しくなさそうである。
いずれもゼロに近い貧果に違いない。

帰り支度をしていた釣り師の一人が、「やってみなさいよ」と僕をけしかける。
エサのイクラまで分けてくれちゃう至れり尽くせり。

そのようなわけで、対岸の細流が流れ込んでいるヨレにイクラを流し込んでみると手頃なニジマスが次々と釣れてくる。





見れば、スーパーの鮮魚売り場に並べられているニジマスそのものである。
養魚場の生簀で泳いでいたところを、何かの巡り合わせで昨日この川に運ばれてきたわけである。

それなら、わざわざ川に放して釣る必要はない。
生簀で釣っても結果は同じである。
などと言ったら怒られるだろうか。

まあいい。
せっかくの解禁日。
あまりひねくれたことを言わずに、時には少しばかり手間を掛けてみようかね。



  


Posted by SFM at 20:08Comments(4)他の釣り