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2020年07月29日

渓谷に炸裂する覇気 ヒレピン中のヒレピン

辛い行程を終え、テン場を設えたら釣りである。


鈴鹿の王の釣り。






初めての溪にも拘らず、岩魚を掛けるべきところでは確実に掛ける。
例外は無い。





試しに後追いをやってみると、ペンペン草も残さない徹底振りがよくわかる。



釣った岩魚をいちいち数えていても、そのうちに何だかワケがわからなくなってくるからあまり深く考えずに淡々と釣っていた方がよろしい。
控えめなところで、釣り終えてから消耗した毛鉤の本数にゼロを足せばそう外れることもなさそうである。




この魚体にはここまでやって来なければ出会うことが出来ない。








ヒレピンはヒレピンでも役者が違う。

汗まみれ、垢まみれの代償は安くは無いと思いたい。

僕は滅多に自画自賛などしない男ではあるが。
この一点に関してだけはお許し願いたいところである。



余裕を見せつける鈴鹿の王



翌日の帰路もけっこうな地獄なのであるが、知る由も無さそうな熟睡振り。
鈴鹿の王の威厳が顕れる。

まあいい。
せっかくの昼寝である。


さて。
ここに来てしまったら野営が不可欠である。
そうは言っても、僕のテン場を人様にお見せするのはいかがなものか。

はっきり言って乞食の巣である。
高規格キャンプ場やグランピング施設の利用者が見たら物も言わずに逃げ出すに違いない。

けれど酒類だけは十分な蓄えがある。

鈴鹿の王が苦労して担ぎ上げた生鮮食料品。





ありがたいことに、テン場で空腹を覚えた経験が僕には無い。



帰路。

これらを越えなければ帰ることが出来ない。






生還。



ここまで来れば死ぬ可能性はほぼゼロと言ってよろしい。


数日間、身体のあちこちに支障が出るかもしれないけれど、それはそれ。


3日振りの温泉と冷えたビールが待っている。

  


2020年07月27日

地獄の道中 源流への道

kaz13さんが遠路訪ねて来たのは昨年の秋。
鈴鹿の王である。

https://kaz13amago.naturum.ne.jp/

釣りまくり、飲みまくった釣り旅。

彼の帰り際はこの一言。

「もっとスゲェところは無ぇのか?」

「あることはあるが、本当にいいのか?
海の皇帝(チャーマスさん)は辞退したぞ。」

「うるせぇ、行こう!」

たったこれだけで命懸けの源流行が実現しちゃったのである。

要するに、その時歴史が動いちゃったらしいのである。

後は野となれ山となれ。


ここが地獄の一丁目。
俯瞰するkaz13さん。




どれどれ、始めようか。





さて。
源流域では他人を頼ることは出来ない。

日頃からスマホなどに依存しているようであればやめておいた方がよろしい。

そもそも、命の次に大切な漁場を某巨大IT企業如きに特定されるようでは釣り師失格である。

この領域に限ったことではないけれど、源流域というところは長年に亘り、練達の職漁師たちが熾烈なせめぎ合いを繰り広げてきたわけで、漁場というより戦場である。

踏み跡や杣道はわざとわかりにくい経路が選ばれ、騙し道が切られていることなど日常茶飯事である。

ちょっとした不注意が元で遭難したり死んだりする。
美しい渓相でありながら幾多の屍の山でもある。

源流遡行に卑怯なんて言葉は無い。
避けきれなかった釣り師が悪い。
としか言いようがない。

釣り師の人生はカゲロウより儚いのである。

おそらく僕が最後の源流王ということになるだろうけれど、はっきり言えば昨今の源流は人材不足なのである。

大源流時代は過去のことである。
次世代のうねりは期待できない。
引退したいのは山々であるが、王としての資質を備えた後継者に恵まれないのである。

次期源流王、どなたかやって頂くわけにはいきませんかネ。


そんな負の側面を一切合財、包み隠さず伝えたにも関わらず、このkaz13さんという釣り師は、過酷な領域に敢えて挑むのである。




さあ。
着いたヨ。




鈴鹿の王におかれては、釣りへの期待が最高潮に高まっておられるに違いない。




吉と出るか凶と出るか。




  


2020年07月20日

クマが出れば尺も出る

前日。
一人で入渓したB場ちゃんが出会ったのはツキノワグマの成獣である。

  (撮影者 B場ちゃん)

適切と思われる距離感。
現代社会ではこれをソーシャルディスタンスというらしい。
長時間の対峙。
恐らく両者の覇気は拮抗していたに違いない。

仕掛けたのはB場ちゃん。
痺れを切らし、足元にプレゼンテーションをしたところ、何故か岩魚が出ちゃったそうであるが、手元に寄せながら逃げられるあたり、見物者が全身黒光りだと勝手が違うようである。

そこまで見届けてクマは藪に消えたそうであるが、それから間もなく上流で何かあったらしく、濁りが入って釣りはお仕舞い。

察するところ、貧果が身に沁みる帰路であったに違いない。


さて。
一夜明けて。
代わって僕が敵を討たねばならないのではないだろうか。

などと言うのは大義名分と言いたいところであるが、はっきり言えば屁理屈である。

B場ちゃんに頼まれたわけでもなければクマに恨みがあるわけでもない。

むしろ、邪な釣り師にきついお仕置きを加えるあたり、クマは得難い山中の友なのである。
さらに、彼らの場合は法律に抵触するわけではないから、後ろに手が回ることもない。
要するにそういうことなのである。




さて。
肝心の岩魚のご機嫌はどうであるか。

はっきり言って悪意すら感じる。
こっちがその気になったところで帰っちゃう。
カネ目当てに好きでもない男と付き合う女。
僕にはそんなカネは無いけれど、要するにそういうことなのである。


大人の火遊び。



この火遊びはタダである。



食いが立ったのはほんの一時。










このところ、けっこう引きが強くなってきたネ。



捨て置きならないのがこの尺上。
さて、どうしよう。



その気が無かったとまでは言わないけれど、ここまでやる心算も無かったのであるよ。
そのあたり、信じて頂くわけにはいかないものだろうか。

釣り師として不徳の致すところである。
面目無いとしか言いようがない。


食いが渋る。
開店時間は短い。



ここでお仕舞い。



この日。
クマは出なかった。






  


2020年07月16日

源流のガイドという商売

世間では数多の山岳ガイドが各地でご活躍のようである。
(今年は様子が違うようであるが。)


一方、聞くところによると。
実際に会ったことはないけれど(会ってしまうようではいけないのであるが)、
沢筋の遡行を売り物に、源流域のガイドを生業として各地を跳梁跋扈している商売人がごく稀にいるようである。




放流魚で成り立っている釣り場にはとやかく言う心算はさらさら無いけれど、源流という領域は観光地ではない。

代々受け継がれている漁場である。

大切な漁場を切り売りしているように思えちゃうのは僕だけだろうか。


いくらお金のためとは言え。
わざわざそんなところまで客を連れ込まなくてもいいじゃないかと僕は思うのであるが。

そのうちに、自分の首を絞めることになると思うよ。


  


Posted by SFM at 22:06Comments(2)釣り師の日常

2020年07月13日

雨の日にわざわざ釣りに行かなくてもいいじゃないか

このところの雨はしばらく止む気配が無さそうである。

悪天候の釣り。

吉と出るか凶と出るか。
はっきり言って丁半博打である。




結論から言うと出たのは凶であるが、そこは結果論である.

入渓しちゃったのだから仕方がない。



岩盤に同化してプレゼンテーションを繰り返すB場ちゃん。




粘り強く、地道にコツコツと貴重な釣果を積み重ねる。






釣り師の背中というものはこうでなきゃいけない。



などと口で言うのは簡単であるが、誰にも出来ることではない。



彼を見習って、僕も少しぐらいは釣らなければならない。

やれやれ、一人だったら気が滅入るネ。








そうは言ってもこの日の地合い。
互いに口には出さないけれど、終わってみれば不完全燃焼。

それも含めて結果論である。




まあいい。
けっこう身体に堪えたけれど、お湯はいつでも湧いている。










  


2020年07月11日

嬉し恥ずかし源流行! の準備の巻

さて。
今月の末には源流行を実施しなければならないのであるが、この溪を知る釣り師たちはそれぞれ引退したり、脱落したり、退場になったり。

そんなワケで単独行を続けて8年。

肉体的、並びに精神的に多大な苦痛を伴う過酷な冒険の釣り旅であるから、とてもとても。
人様にお勧めできるワケがない。


けれど。
今回。
そんなところまで行こうという奇特な御仁が現れたのである。

聞けば。
食糧計画、装備、道具建て。
さらに歩行訓練。
1ミリも抜かりなく準備を進めているようである。

どの道、入渓してしまえば逃げ場はない。
まあ、死ぬようなことはないだろう。


連日の雨。

僕も少し準備をしておこうかね。


ラインの手入れ。




サオの継ぎ手にロウを塗ったり。




沢というところはこれが無きゃいけない。





まだ日にちはあるけれど。
何だかざわめいてきたネ。






  


Posted by SFM at 20:04Comments(2)釣り師の日常

2020年07月06日

釣りに行かない釣り師の休日

どっちつかずの空模様。

釣り場の条件はそう悪くないことは行かなくても薄々わかる。

むしろ、どっちつかずなのは釣り師の心情。


義母のささやかな家庭菜園。
早起きをして年に数回の農作業。




毛鉤の補充。



故あって、人様には毛鉤を巻いておくようにと偉そうに促しておきながら、自身で巻かないようでは釣り師失格である。



近々、多用することになるキャスティングの距離感を確認。





師匠を訪ねてみると、おやきの試作の最中。
蒸し上がったところをつまみ喰い。





この刹那は嵐の前の静けさ。




師匠が秘かに仕立てておいた一品。
ぬか漬け岩魚の炙り。


  


Posted by SFM at 20:40Comments(2)釣り師の日常