2017年01月29日
真冬のキャスティング物語・それから温泉物語
珍しく暖かい日、また少しキャスティングを練習しておかないといけない。
小さな努力の積み重ねが実釣に表れる、と思いたい。
ノーマン・マクリーンの世界に浸るのも悪くはないけれど、それだけでは山積した諸問題の根本的な解決には繋がらない。僕は現実の世界で実際に川に刺さる立場だから地道な練習をしておかないと自分にツケが回って来ることになる。
いつもの公園は2週間前の大雪からほとんど利用されていない様子。

脱出できずに放置されてしまった車。

ツボ足で歩いていく。足場を踏み固める。

体はなかなか感覚を覚え込んでくれない。
ピンポン玉、テニスボール、フライパンの目玉焼き・・。
イメージしなければならないことがいくつもある。
加えて左手の動きも大事だ。
余計な力は要らない。ロッドが風を切る音が鳴るようではまずい。
緩やかな動きの中から安定感のあるループを繰り出さなくてはならない。
スローハンドという感覚に違いない。
それならクラプトンのことだ。ジミー・ペイジやキース・リチャーズではない。
Tears in heavenであって、Stairway to heavenではいけないのである。
(僕はどちらも弾けません、10代の頃に挫折しちゃいました。その年代です。)
そんな事を考えながらキャスティングをしていると、電話をかけてくる男がいる。
やっぱりKONちゃんだ。
午後は彼の地元の温泉に行くことになった。僕は温泉依存性でもある、
僕が好んで出掛けていく温泉のひとつ、山田温泉の大湯。

KONちゃんが分けてくれた無料券。

珍しく空いていて写真が撮れた。熱湯とぬる湯があって、洗い場も珍しい造り。



このお湯を僕はけっこう気に入っている。時々一人でも出掛けて来る。
体にぐっと沁みてくる感じがとてもいい、この時期は特にそう思う。
二つの湯船を交互に入ったり、板敷にうずくまったりしながら小一時間を過ごす。
今日も結局、男同士で風呂に入ることになった。
帰りの道から見えた高妻山・乙妻山。

小さな努力の積み重ねが実釣に表れる、と思いたい。
ノーマン・マクリーンの世界に浸るのも悪くはないけれど、それだけでは山積した諸問題の根本的な解決には繋がらない。僕は現実の世界で実際に川に刺さる立場だから地道な練習をしておかないと自分にツケが回って来ることになる。
いつもの公園は2週間前の大雪からほとんど利用されていない様子。

脱出できずに放置されてしまった車。

ツボ足で歩いていく。足場を踏み固める。

体はなかなか感覚を覚え込んでくれない。
ピンポン玉、テニスボール、フライパンの目玉焼き・・。
イメージしなければならないことがいくつもある。
加えて左手の動きも大事だ。
余計な力は要らない。ロッドが風を切る音が鳴るようではまずい。
緩やかな動きの中から安定感のあるループを繰り出さなくてはならない。
スローハンドという感覚に違いない。
それならクラプトンのことだ。ジミー・ペイジやキース・リチャーズではない。
Tears in heavenであって、Stairway to heavenではいけないのである。
(僕はどちらも弾けません、10代の頃に挫折しちゃいました。その年代です。)
そんな事を考えながらキャスティングをしていると、電話をかけてくる男がいる。
やっぱりKONちゃんだ。
午後は彼の地元の温泉に行くことになった。僕は温泉依存性でもある、
僕が好んで出掛けていく温泉のひとつ、山田温泉の大湯。

KONちゃんが分けてくれた無料券。

珍しく空いていて写真が撮れた。熱湯とぬる湯があって、洗い場も珍しい造り。



このお湯を僕はけっこう気に入っている。時々一人でも出掛けて来る。
体にぐっと沁みてくる感じがとてもいい、この時期は特にそう思う。
二つの湯船を交互に入ったり、板敷にうずくまったりしながら小一時間を過ごす。
今日も結局、男同士で風呂に入ることになった。
帰りの道から見えた高妻山・乙妻山。

2017年01月24日
雪下ろしに精を出す釣師たちの一日
「Sさんのところに屋根の雪下ろしを手伝いに行かない?」
友人のKONちゃんから電話がきた。僕はSさんにはお世話になりっぱなしだから瞬間的に快諾してしまう。
そこはSさんの常日頃の親切な人柄がモノを言う(世の中そういうもんですヨ)。
僕みたいに不器用な男でもネコの手ぐらいにはなるかもしれない。
現場の状況は・・・、ほぼ想像どおり。

近くの細い路地、車の乗り入れはしない方がいいに違いない。

どれどれ、屋根に登ってみるとこれはこれは、なかなかのものですな。
足の踏み場を作るまでは雪の中を泳ぐ感覚、しかも屋根の上で、これは初めての経験。

雪下ろしを始めると通りかかった外国人が僕たちを興味深そうに眺めている。おまけに写真まで撮っている。そんなに珍しいものかな・・。
ついでに近くの山から降りてきたサルも道を行ったり来たりする。
お昼ご飯は、岩魚茶漬け、真鯛の柚子胡椒風味和え、茹で鶏とセリの小鉢。


これじゃ手伝いに来たのか、お昼ご飯をご馳走になりに来たのかわかりゃしない。
そうは思いつつも、この手の誘惑に弱い僕は夢中になってどんぶりをかき込んでしまった。
いつか機会を伺って、この出し汁の作り方をあの手この手で聞き出さなければならない。我ながらこの苦労性はなんとかならないものかネ、全く。
屋根の上の午後。
黙々と雪下ろし作業をするKONちゃん。まめな男で小回りも利く。

夕方、雪下ろしにキリをつけてからSさんにキャスティングをチェックしてもらった。
僕の釣りの先生と、蕎麦打ちの先生と、肴の作り方の先生は同一人物、つまりSさん。
自分で言うのもヘンだけれど、Sさんの弟子にしては僕は出来の悪い部類だと思う。
正しいループを安定させ続けることは僕にはけっこう難しいことで、それでもごく稀に我ながら「これは・・・!」と思うループができることもあったり、その後すぐに「やっぱりまぐれか・・・」と思わせられたり、キャスティングというものはずいぶんと奥が深い技術だと思う(僕にとっては)。
暗くなって冷えてた。
さあ、温泉だ。今までこのお湯に何度癒されたことだろう。

帰りがけにSさんが持たせてくれた心尽くしは、薄塩で一夜干しした真鯛の兜焼きと大吟醸。

この冷酒、キレ方が抜群にすごい。僕にもわかるぐらいだからこの覇気は相当なものだ。
鯛の頭の身をあちこちとつつきまわすのもなんだか楽しい。
雪国の冬は長い。
友人のKONちゃんから電話がきた。僕はSさんにはお世話になりっぱなしだから瞬間的に快諾してしまう。
そこはSさんの常日頃の親切な人柄がモノを言う(世の中そういうもんですヨ)。
僕みたいに不器用な男でもネコの手ぐらいにはなるかもしれない。
現場の状況は・・・、ほぼ想像どおり。

近くの細い路地、車の乗り入れはしない方がいいに違いない。

どれどれ、屋根に登ってみるとこれはこれは、なかなかのものですな。
足の踏み場を作るまでは雪の中を泳ぐ感覚、しかも屋根の上で、これは初めての経験。

雪下ろしを始めると通りかかった外国人が僕たちを興味深そうに眺めている。おまけに写真まで撮っている。そんなに珍しいものかな・・。
ついでに近くの山から降りてきたサルも道を行ったり来たりする。
お昼ご飯は、岩魚茶漬け、真鯛の柚子胡椒風味和え、茹で鶏とセリの小鉢。


これじゃ手伝いに来たのか、お昼ご飯をご馳走になりに来たのかわかりゃしない。
そうは思いつつも、この手の誘惑に弱い僕は夢中になってどんぶりをかき込んでしまった。
いつか機会を伺って、この出し汁の作り方をあの手この手で聞き出さなければならない。我ながらこの苦労性はなんとかならないものかネ、全く。
屋根の上の午後。
黙々と雪下ろし作業をするKONちゃん。まめな男で小回りも利く。

夕方、雪下ろしにキリをつけてからSさんにキャスティングをチェックしてもらった。
僕の釣りの先生と、蕎麦打ちの先生と、肴の作り方の先生は同一人物、つまりSさん。
自分で言うのもヘンだけれど、Sさんの弟子にしては僕は出来の悪い部類だと思う。
正しいループを安定させ続けることは僕にはけっこう難しいことで、それでもごく稀に我ながら「これは・・・!」と思うループができることもあったり、その後すぐに「やっぱりまぐれか・・・」と思わせられたり、キャスティングというものはずいぶんと奥が深い技術だと思う(僕にとっては)。
暗くなって冷えてた。
さあ、温泉だ。今までこのお湯に何度癒されたことだろう。

帰りがけにSさんが持たせてくれた心尽くしは、薄塩で一夜干しした真鯛の兜焼きと大吟醸。

この冷酒、キレ方が抜群にすごい。僕にもわかるぐらいだからこの覇気は相当なものだ。
鯛の頭の身をあちこちとつつきまわすのもなんだか楽しい。
雪国の冬は長い。
2017年01月21日
鮨屋のカウンターで
自宅から歩いて行ける鮨屋。
時々この店で旧知のTさんと落ち合ってカウンターに並んで一杯やることにしている。

ここは鮨屋でありながら、とても気楽な居酒屋のような店。
加えてTさんは穏やかな人柄だから、男が二人で静かに飲めるありがたい相手。


目の前で煮えているおでんを見てしまった。たまらずにおすすめの具を頼んだ。

お互いに子供の話になると自分達が歳をとっていくことをいやでも感じてしまう。
こんなとき、むくむくと湧いてくる老後の不安を、お湯割りの焼酎にに紛れ込ませて飲み下しているうちにおなかも気持ちも和んでくる。
〆に握りでもう一杯やったらお開きにしようか。

天気予報では翌朝にかけてまた大雪が降ることになっている。
今年は特に油断できない。
時々この店で旧知のTさんと落ち合ってカウンターに並んで一杯やることにしている。

ここは鮨屋でありながら、とても気楽な居酒屋のような店。
加えてTさんは穏やかな人柄だから、男が二人で静かに飲めるありがたい相手。


目の前で煮えているおでんを見てしまった。たまらずにおすすめの具を頼んだ。

お互いに子供の話になると自分達が歳をとっていくことをいやでも感じてしまう。
こんなとき、むくむくと湧いてくる老後の不安を、お湯割りの焼酎にに紛れ込ませて飲み下しているうちにおなかも気持ちも和んでくる。
〆に握りでもう一杯やったらお開きにしようか。

天気予報では翌朝にかけてまた大雪が降ることになっている。
今年は特に油断できない。
2017年01月18日
嫌いな雪かきがさらに嫌いになった。北越雪譜の世界。
雪をかいてもかいてもきりがない。
終わった頃にはまた積もり始めている。
車に積もった雪を落とすと足の踏み場もない有様になる。
困ったことに、かいた雪の置き場所が無くなってくる。
仕方が無いから山のように積み重ねる。
何度も同じことを繰り返さなければならない。


以前読んだ鈴木牧之の北越雪譜を思い出してしまう。

文体は読みづらいけれど、おおまかに情景は想像できた。
当時は軽金属や樹脂の雪かき道具はなかっただろうし、仕事の効率は悪かったことと思う。
この雪国ではけっこう凄い出来事が起こっていたようだ。
世間が大雪に疲れている様子がみてとれる。
そろそろ整骨院に行きたいところではあるけれど、今はきっと連日満員御礼だろうから、ほとぼりが冷めるのを待ってからにしよう。
この日はカツオの薄造りにS先生直伝の柚子胡椒風味のたれを和える。口切りにホタルイカのいしり干し。

自分へのささやかなご褒美。いつものことだけど。
終わった頃にはまた積もり始めている。
車に積もった雪を落とすと足の踏み場もない有様になる。
困ったことに、かいた雪の置き場所が無くなってくる。
仕方が無いから山のように積み重ねる。
何度も同じことを繰り返さなければならない。


以前読んだ鈴木牧之の北越雪譜を思い出してしまう。
文体は読みづらいけれど、おおまかに情景は想像できた。
当時は軽金属や樹脂の雪かき道具はなかっただろうし、仕事の効率は悪かったことと思う。
この雪国ではけっこう凄い出来事が起こっていたようだ。
世間が大雪に疲れている様子がみてとれる。
そろそろ整骨院に行きたいところではあるけれど、今はきっと連日満員御礼だろうから、ほとぼりが冷めるのを待ってからにしよう。
この日はカツオの薄造りにS先生直伝の柚子胡椒風味のたれを和える。口切りにホタルイカのいしり干し。

自分へのささやかなご褒美。いつものことだけど。
2017年01月15日
最強クラスの寒波、交通事故多発、五目ラーメン、最後に温泉。
こんな天気だけれど、この日は松本市まで行って来なければならない。
上空の寒気は氷点下40度を超えているそうだ。
高速道路はこんな様子。

一般道では事故が。

用事は早く済んだ。
この日、こんな所で偶然会ったHサン、退院までもう少しですね。お大事に。
帰る前にインターチェンジの近くでお昼ご飯にしよう。
何気なく入った店、五目うま煮麺と書いてある。

寒い日にこれは堪らない。
いや、おいしかった。
おつゆまですっかり飲んでしまった。
帰りの道中、高速道路でも事故。

道草をして温泉に入って帰ろう。ここは久しぶり。

いつからか、男湯と女湯が時々替わることになったそうだ。
先入観をもって間違って入ってしまうとひんしゅくを買うことになる。
間違いなく歓迎してはもらえない。

温泉からでるとさらに世間は雪だらけに。

幸い、無事に帰還です。
雪かきが待っている。
上空の寒気は氷点下40度を超えているそうだ。
高速道路はこんな様子。

一般道では事故が。

用事は早く済んだ。
この日、こんな所で偶然会ったHサン、退院までもう少しですね。お大事に。
帰る前にインターチェンジの近くでお昼ご飯にしよう。
何気なく入った店、五目うま煮麺と書いてある。

寒い日にこれは堪らない。
いや、おいしかった。
おつゆまですっかり飲んでしまった。
帰りの道中、高速道路でも事故。

道草をして温泉に入って帰ろう。ここは久しぶり。

いつからか、男湯と女湯が時々替わることになったそうだ。
先入観をもって間違って入ってしまうとひんしゅくを買うことになる。
間違いなく歓迎してはもらえない。

温泉からでるとさらに世間は雪だらけに。

幸い、無事に帰還です。
雪かきが待っている。
2017年01月12日
戦場のスコッチウィスキー
このお寺に立ち寄って驚いたのは建物の立派さでも佇まいの品の良さでもなく
太平洋戦争で没した陸軍中将(後に大将)殿のお墓の賑やかなお供えだった。
ただのお供えじゃない、ウィスキーが数本と他にも酒類、ミネラルウォーターのペットボトルなどが収まりよく並べられている。
お墓の主は栗林中将殿。


映画の場面を思い出す。「硫黄島からの手紙」。
渡辺謙サン、スコッチウィスキーを実においしそうに飲む。
飲んだのは多分、烏龍茶かなにかだろうけれど、おいしさは十分過ぎるほど伝わった。
硫黄島なんていう名前の島だから、いい水は手に入らなかった事だろうと想像する。
溪を歩いている経験で、「赤」とか「渋」などの字のつく沢は悪い水が出ていることが多い。
「硫黄」なんて名前がつけば水質は最悪に違いない。
ミネラルウォーターが供えられる理由はそこじゃないだろうか。

境内に立つ古木は枝垂れ桜に見えるけれど枝垂れ柳かもしれない。
つまり僕に、見分ける眼が無いだけの事。
花を見ればわかるだろうから春にまた訪ねてみよう。
裏山のヒキガエル達が池に降りてきて産卵しているだろうか。
帰る途中、100円ショップで小さなロックグラスを買った。
このところ、ウィスキーの減りが早いように感じていた。
グラスを小さくすれば少しぐらいは効き目があるかも。

太平洋戦争で没した陸軍中将(後に大将)殿のお墓の賑やかなお供えだった。
ただのお供えじゃない、ウィスキーが数本と他にも酒類、ミネラルウォーターのペットボトルなどが収まりよく並べられている。
お墓の主は栗林中将殿。


映画の場面を思い出す。「硫黄島からの手紙」。
渡辺謙サン、スコッチウィスキーを実においしそうに飲む。
飲んだのは多分、烏龍茶かなにかだろうけれど、おいしさは十分過ぎるほど伝わった。
硫黄島なんていう名前の島だから、いい水は手に入らなかった事だろうと想像する。
溪を歩いている経験で、「赤」とか「渋」などの字のつく沢は悪い水が出ていることが多い。
「硫黄」なんて名前がつけば水質は最悪に違いない。
ミネラルウォーターが供えられる理由はそこじゃないだろうか。

境内に立つ古木は枝垂れ桜に見えるけれど枝垂れ柳かもしれない。
つまり僕に、見分ける眼が無いだけの事。
花を見ればわかるだろうから春にまた訪ねてみよう。
裏山のヒキガエル達が池に降りてきて産卵しているだろうか。
帰る途中、100円ショップで小さなロックグラスを買った。
このところ、ウィスキーの減りが早いように感じていた。
グラスを小さくすれば少しぐらいは効き目があるかも。

2017年01月09日
薩摩邑かめつぼ熟成
懇意にしている酒問屋さんが勧めてくれたこの芋焼酎。
所謂、高級品ではない。といっても僕には少々贅沢な一本。
だから寒い季節に限っていそいそと買いこんでくる。

季節柄、お湯割りといきたいところではあるけれど、
この焼酎は冬でもロックが冴えると思う。
この日はヤゲン軟骨の揚げ物と蒸ホタテを一緒に。

川の解禁日はまだしばらく先。
フライフィッシャーには少しばかり辛い季節です。
所謂、高級品ではない。といっても僕には少々贅沢な一本。
だから寒い季節に限っていそいそと買いこんでくる。

季節柄、お湯割りといきたいところではあるけれど、
この焼酎は冬でもロックが冴えると思う。
この日はヤゲン軟骨の揚げ物と蒸ホタテを一緒に。

川の解禁日はまだしばらく先。
フライフィッシャーには少しばかり辛い季節です。
2017年01月05日
のっぺの味わいはかそけきものなり。
のっぺという煮物は新潟県の家庭料理。
里芋とか人参とかを薄味で仕上げてあってとてもおいしい。
素朴ではあるけれど、品の良い煮物だと思う。
ほら、おいしそうでしょ。

割烹などに連れて行ってもらうと、さらに上品なプロらしい仕上げをされたのっぺを出されることが多い。
僕は他県民だけれど、母が中越地方の出身だから帰省に連れられて行くたびに食卓に並ぶ常連の小鉢だった。
正直、子供の頃はそれほど好きなわけじゃなかったし、大して気にもせずに出されたから食べていただけだったけれど、歳とともに少しずつこの味の良さがわかるようになった。
今、母の実家を訪ねるときには叔母ちゃんの作るのっぺが無いと僕はとても困る。
加えて、この地方には数え切れないはどの酒蔵がある。従兄弟たちがその度に季節のお酒を吟味してくれているが、のっぺと相性の悪いお酒には出会った事がない。
三年前の春に亡くなった気のいい叔父さんは、飲みきれないほどのお酒と食べきれないほどのご馳走で、「よく来たいやー。」とか言いながら迎えてくれていた。
はた目にはいささか暴飲暴食気味に見える光景だったろうけど、今はとても懐かしい。食卓にはいつも叔母ちゃんの作るのっぺがあった。
叔父さんが生前に誂えた庭を眺めつつ、お酒をやりながらのっぺをつつく。

今は僕が母を帰省に連れて行く立場になってしまったし、当時は先が見えないほど広かった田んぼや水路がすっかり減った。広い道路が開いて大きな建物が建って住宅も増えた。ずいぶんと変わった風景になってしまったけれど、のっぺの味はその頃と同じ。叔母ちゃんからのご褒美ということにさせてもらおう。
時折、こんな風景に出会うと子供の頃を思い出してしまう。

この通り沿いには豆腐屋、酒屋、駄菓子屋、雑貨屋、お寺の門などが並んでいた。すっかり眺めが変わってしまったけれど、まだおぼろげに思い出せる。

春になったらお墓参りに行こう。
のっぺを食べに行こう。
里芋とか人参とかを薄味で仕上げてあってとてもおいしい。
素朴ではあるけれど、品の良い煮物だと思う。
ほら、おいしそうでしょ。

割烹などに連れて行ってもらうと、さらに上品なプロらしい仕上げをされたのっぺを出されることが多い。
僕は他県民だけれど、母が中越地方の出身だから帰省に連れられて行くたびに食卓に並ぶ常連の小鉢だった。
正直、子供の頃はそれほど好きなわけじゃなかったし、大して気にもせずに出されたから食べていただけだったけれど、歳とともに少しずつこの味の良さがわかるようになった。
今、母の実家を訪ねるときには叔母ちゃんの作るのっぺが無いと僕はとても困る。
加えて、この地方には数え切れないはどの酒蔵がある。従兄弟たちがその度に季節のお酒を吟味してくれているが、のっぺと相性の悪いお酒には出会った事がない。
三年前の春に亡くなった気のいい叔父さんは、飲みきれないほどのお酒と食べきれないほどのご馳走で、「よく来たいやー。」とか言いながら迎えてくれていた。
はた目にはいささか暴飲暴食気味に見える光景だったろうけど、今はとても懐かしい。食卓にはいつも叔母ちゃんの作るのっぺがあった。
叔父さんが生前に誂えた庭を眺めつつ、お酒をやりながらのっぺをつつく。

今は僕が母を帰省に連れて行く立場になってしまったし、当時は先が見えないほど広かった田んぼや水路がすっかり減った。広い道路が開いて大きな建物が建って住宅も増えた。ずいぶんと変わった風景になってしまったけれど、のっぺの味はその頃と同じ。叔母ちゃんからのご褒美ということにさせてもらおう。
時折、こんな風景に出会うと子供の頃を思い出してしまう。

この通り沿いには豆腐屋、酒屋、駄菓子屋、雑貨屋、お寺の門などが並んでいた。すっかり眺めが変わってしまったけれど、まだおぼろげに思い出せる。

春になったらお墓参りに行こう。
のっぺを食べに行こう。
2017年01月03日
六文銭が恐れた山城跡、虚空蔵山。ついでに太郎山。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお付き合いください。
今日は運動不足だから山を歩かなければならない。
虚空蔵山にしよう。
この季節でも上田市近郊の山は滅多に雪が積もらないし、
天気が崩れることも少ない。
この地域は降水量が少ないそうだ。
数年前に南側にある独鈷山に登った時、雨乞いの山だと知った。
溜池がいくつもあったっけ。
きっと水が貴重な土地だったのだろうと思う。
登り口は墓地の中、地名は鼠とか鼠宿とか言われている。
そうなると墓石の影からネズミ男でも出てきてほしいところでは
あるけれど、そうもいかないようだ。
墓地を抜けて日の当たらない雑木林を登ると尾根に出る。
後は登り下りを繰り返しながらただ歩いて行けばいい。
まだ木が凍っている。

近くでみると。

イノシシのヌタ場も凍っている。
彼らが暗がりで徘徊した形跡があちこちに残っている。

雪が降っているわけではありません。
陽が射すとエビの尻尾が落ちてくる。
時々、襟の中に入り込まれると辛い。

山城跡がいくつもあって、そのうちに数え切れなくなってくる。

虚空蔵山。けっこう寛げる。

虚空蔵という名前は十三仏の殿(しんがり)らしいけれど、
あちこちにあるらしい。
乙妻山の山頂にも虚空蔵菩薩と書いた板切れがあった。
とても居心地のいいところだった。
この尾根筋はどこからも上田城が丸見え。真田殿、心中お察し申し上げる。

反対側に目を移すと坂城から戸倉方面。

もう少し歩けば太郎山。そこでお昼ご飯にしよう。
太郎山。今日は神社はパスしよう。

冷蔵庫の残り物だってここに持って来ると心強いおかずになる。

うどんが出来た。今日はかき揚げ付き。

さて、来た道を下らなくてはならない。
温泉に入らなくてはならない。
この山の周りにはいい温泉が腐るほど(腐りはしないが、)ある。
帰りには先月歩いた子檀嶺岳が見える。

さあ、温泉だ。
今日はここにしよう。

今年もよろしくお付き合いください。
今日は運動不足だから山を歩かなければならない。
虚空蔵山にしよう。
この季節でも上田市近郊の山は滅多に雪が積もらないし、
天気が崩れることも少ない。
この地域は降水量が少ないそうだ。
数年前に南側にある独鈷山に登った時、雨乞いの山だと知った。
溜池がいくつもあったっけ。
きっと水が貴重な土地だったのだろうと思う。
登り口は墓地の中、地名は鼠とか鼠宿とか言われている。
そうなると墓石の影からネズミ男でも出てきてほしいところでは
あるけれど、そうもいかないようだ。
墓地を抜けて日の当たらない雑木林を登ると尾根に出る。
後は登り下りを繰り返しながらただ歩いて行けばいい。
まだ木が凍っている。

近くでみると。

イノシシのヌタ場も凍っている。
彼らが暗がりで徘徊した形跡があちこちに残っている。

雪が降っているわけではありません。
陽が射すとエビの尻尾が落ちてくる。
時々、襟の中に入り込まれると辛い。

山城跡がいくつもあって、そのうちに数え切れなくなってくる。

虚空蔵山。けっこう寛げる。

虚空蔵という名前は十三仏の殿(しんがり)らしいけれど、
あちこちにあるらしい。
乙妻山の山頂にも虚空蔵菩薩と書いた板切れがあった。
とても居心地のいいところだった。
この尾根筋はどこからも上田城が丸見え。真田殿、心中お察し申し上げる。

反対側に目を移すと坂城から戸倉方面。

もう少し歩けば太郎山。そこでお昼ご飯にしよう。
太郎山。今日は神社はパスしよう。

冷蔵庫の残り物だってここに持って来ると心強いおかずになる。

うどんが出来た。今日はかき揚げ付き。

さて、来た道を下らなくてはならない。
温泉に入らなくてはならない。
この山の周りにはいい温泉が腐るほど(腐りはしないが、)ある。
帰りには先月歩いた子檀嶺岳が見える。

さあ、温泉だ。
今日はここにしよう。
