2019年09月30日
松阪牛がやってきた 後編 SFMと愉快な仲間たち
禁漁直前ではあるが、お題は松阪牛である。
先日、三重県からの客人であるkaz13さんと入渓したB場川。
不自然な活性の低さが気に掛かり、後に状況証拠や聞き取り調査に基づいて分析したところ、前日にB場ちゃんとKONちゃんが釣りまくっていたことが判明。
A級戦犯に相当する彼らであるが、そこはkaz13さん。
「これも縁。先行者のお二人もご一緒にどうぞ。」と、粋なお言葉を添えて送って下さった極上の松阪牛がここにある。
N川さんとASHIちゃんも加わり、ちょっとした宴である。


馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできないと言うけれど、アマゴンゾウさん目利きの松阪牛にかかっちゃったら厳格なる大英帝国の諺も形無しである。
帰りの運転が恨めしい。
彼等は下戸であるが僕はそうはいかないのである。
締めは茶蕎麦のサラダ。
師の手製である。

師曰く。
「俺がまずいモン作るワケねーだろ。」
過去に例のない腹ごしらえを終えた彼らが向かうのは夕マヅメの川である。

禁漁直前。
釣り場で繰り広げられる悶々とした群集心理の交錯。
彼らを迎えてくれるのは産卵を控えた渓魚だろうか。
揃って上流を向いて移動する夥しい先行者と後行者だろうか。
さて、僕には行く所が無い。
無い袖は振れない。

蟻とキリギリスという童話を書いたのはウソップだっただろうか。
Kaz13さん、アマゴンゾウさん。
ごちそうさまでした。
先日、三重県からの客人であるkaz13さんと入渓したB場川。
不自然な活性の低さが気に掛かり、後に状況証拠や聞き取り調査に基づいて分析したところ、前日にB場ちゃんとKONちゃんが釣りまくっていたことが判明。
A級戦犯に相当する彼らであるが、そこはkaz13さん。
「これも縁。先行者のお二人もご一緒にどうぞ。」と、粋なお言葉を添えて送って下さった極上の松阪牛がここにある。
N川さんとASHIちゃんも加わり、ちょっとした宴である。
馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできないと言うけれど、アマゴンゾウさん目利きの松阪牛にかかっちゃったら厳格なる大英帝国の諺も形無しである。
帰りの運転が恨めしい。
彼等は下戸であるが僕はそうはいかないのである。
締めは茶蕎麦のサラダ。
師の手製である。
師曰く。
「俺がまずいモン作るワケねーだろ。」
過去に例のない腹ごしらえを終えた彼らが向かうのは夕マヅメの川である。
禁漁直前。
釣り場で繰り広げられる悶々とした群集心理の交錯。
彼らを迎えてくれるのは産卵を控えた渓魚だろうか。
揃って上流を向いて移動する夥しい先行者と後行者だろうか。
さて、僕には行く所が無い。
無い袖は振れない。
蟻とキリギリスという童話を書いたのはウソップだっただろうか。
Kaz13さん、アマゴンゾウさん。
ごちそうさまでした。
2019年09月28日
途方に暮れつつ岩魚を釣る
間もなく消費増税である。
同時に禁漁である。
僕には溪ぐらいしか行く所が無い。
この先どうやって生きて行けばいいのだろうか。
爪に火を灯す思いではあるが、とりあえず岩魚を釣らなければならない。

さて、この日。
Kaz13さんに習った渓魚の写真撮りを練習するのである。



なんか違うネ。
練習にはもっと岩魚が必要であるが、そうそう都合よくいかないのである。



この溪の将来を担う次世代の岩魚たちと言えば聞こえはいいけれど、はっきり言えば木っ端岩魚である。
そうは言っても自然繁殖の証。
粗末に扱うようでは釣り師失格である。
飽きる頃に白泡や波に絡んで出る。
こんな時、引き際が決められないのが困る。
良くも悪くも記憶に残る一匹。

ここで踏ん切りがつく。
おにぎりや即席めんの税率はしばらく据え置かれるようであるが。

補修を重ねた沢靴。
いずれ新調しなければならない。
釣り師の身に重くのしかかる消費増税。

盛んなる火遊び。
この焚き物はタダであるが。

聞くところによると、大人の火遊びは度が過ぎると高いツケが回ってくるそうである。
物理的には僕に後ろ髪は無いけれど。
少しぐらいは心を残しておいてもいいのではないだろうか。




師の心尽くし。
本物のビールである。

手酌が醸す笑みは少しばかり品が悪い。
同時に禁漁である。
僕には溪ぐらいしか行く所が無い。
この先どうやって生きて行けばいいのだろうか。
爪に火を灯す思いではあるが、とりあえず岩魚を釣らなければならない。
さて、この日。
Kaz13さんに習った渓魚の写真撮りを練習するのである。
なんか違うネ。
練習にはもっと岩魚が必要であるが、そうそう都合よくいかないのである。
この溪の将来を担う次世代の岩魚たちと言えば聞こえはいいけれど、はっきり言えば木っ端岩魚である。
そうは言っても自然繁殖の証。
粗末に扱うようでは釣り師失格である。
飽きる頃に白泡や波に絡んで出る。
こんな時、引き際が決められないのが困る。
良くも悪くも記憶に残る一匹。
ここで踏ん切りがつく。
おにぎりや即席めんの税率はしばらく据え置かれるようであるが。
補修を重ねた沢靴。
いずれ新調しなければならない。
釣り師の身に重くのしかかる消費増税。
盛んなる火遊び。
この焚き物はタダであるが。
聞くところによると、大人の火遊びは度が過ぎると高いツケが回ってくるそうである。
物理的には僕に後ろ髪は無いけれど。
少しぐらいは心を残しておいてもいいのではないだろうか。
師の心尽くし。
本物のビールである。
手酌が醸す笑みは少しばかり品が悪い。
2019年09月25日
秋の大根 山釣りの邂逅
道の駅で見つけた大根の山。
五宝木大根である。


大根とは言っても、五宝木という地名がつくと僕にとっては少し話が違ってくる。
渓流釣りを覚えた頃に足繁く通った沢筋がこの大根がとれる五宝木という集落の近くだったからである。
けっこう魚影が濃くて、春先に雪の上から提灯釣りをすると黒い大岩魚が釣れたり、新緑の季節には捕まえたオニチョロ虫の数だけ木っ端岩魚が釣れたりした。
ぶきっちょな手つきで毛鉤釣りを試したことが懐かしい。
僅かに残っていた当時の写真。


当時この沢で過ごした若い釣り師が後年、源流王になることは誰にも予測できなかったようである。
いつだったろうか。
ここにはいないはずの魚が釣れちゃった。
胸鰭の溶けたヤマメに罪は無い。
加えて、世間ではそれなりのニーズがあるに違いない。
けれど、正直者には荷が重い。
あれからずいぶん経つけれど。
あの岩魚たちは達者だろうか。

五宝木大根である。
大根とは言っても、五宝木という地名がつくと僕にとっては少し話が違ってくる。
渓流釣りを覚えた頃に足繁く通った沢筋がこの大根がとれる五宝木という集落の近くだったからである。
けっこう魚影が濃くて、春先に雪の上から提灯釣りをすると黒い大岩魚が釣れたり、新緑の季節には捕まえたオニチョロ虫の数だけ木っ端岩魚が釣れたりした。
ぶきっちょな手つきで毛鉤釣りを試したことが懐かしい。
僅かに残っていた当時の写真。
当時この沢で過ごした若い釣り師が後年、源流王になることは誰にも予測できなかったようである。
いつだったろうか。
ここにはいないはずの魚が釣れちゃった。
胸鰭の溶けたヤマメに罪は無い。
加えて、世間ではそれなりのニーズがあるに違いない。
けれど、正直者には荷が重い。
あれからずいぶん経つけれど。
あの岩魚たちは達者だろうか。
2019年09月22日
松阪牛がやってきた 前編
松阪牛である。
今、この時。
名うての名品、本物の松阪牛は僕の手元に実在する。

先日一緒に釣りをしたkaz13さんからの差し入れである。
https://kamoshika03.naturum.ne.jp/
聞くところによると、アマゴンさんという御仁に無理を言って確保しにくいタンも混ぜて下さったそうである。



僕はいずれ源流王になる男ではない。
既になっちゃっているワケであるから、渓谷で手に入らないモノは皆無と言い切ってよろしい。
けれど、故あって松阪牛のような高級食材には迂闊に手を出せないのである。
口先では「どうかお気遣い無く。」とか言いながら、松阪牛と聞いた途端に「遠慮なく頂戴させていただきます。」などと素早く手のひらを返す浅ましさ。
ここで会ったが百年目。
このチャンスを逃したら死ぬまで松阪牛にはありつけないに違いない。
源流王の地位などこの際どうでもよろしい。
はっきり言って溪のペテン師である。
実のところ。
松阪牛を炙りながら釣友たちと語らうようにとkaz13さんの粋な計らいなのである。
そうは言っても、先立って味見ぐらいしてもいいのではないだろうか。
いや、しなければならない。
これは味見である。
つまみ喰いではないのである。
帳落ちる頃。
盛んなる炭火を熾す。

焼き加減には細心の注意を払わなければならない。
この精緻。
大岩魚を釣る時の比ではない。



エビスビールというものはガブガブ飲んではいけないのであるが。
そうは言っても、ねぇ。

震撼する味覚中枢。
釣りをやってて本当に良かった。
我が家の娘たちは僕に寄り付かなくなって久しい。
各々それなりの娘のようであるが、この時だけは妙に纏わりついてくる。
Kaz13さん。
アマゴンさん。
心より感謝を申し上げます。
ありがとうございます。
ごちそうさまでした。
合掌。
後編に続く。
今、この時。
名うての名品、本物の松阪牛は僕の手元に実在する。
先日一緒に釣りをしたkaz13さんからの差し入れである。
https://kamoshika03.naturum.ne.jp/
聞くところによると、アマゴンさんという御仁に無理を言って確保しにくいタンも混ぜて下さったそうである。
僕はいずれ源流王になる男ではない。
既になっちゃっているワケであるから、渓谷で手に入らないモノは皆無と言い切ってよろしい。
けれど、故あって松阪牛のような高級食材には迂闊に手を出せないのである。
口先では「どうかお気遣い無く。」とか言いながら、松阪牛と聞いた途端に「遠慮なく頂戴させていただきます。」などと素早く手のひらを返す浅ましさ。
ここで会ったが百年目。
このチャンスを逃したら死ぬまで松阪牛にはありつけないに違いない。
源流王の地位などこの際どうでもよろしい。
はっきり言って溪のペテン師である。
実のところ。
松阪牛を炙りながら釣友たちと語らうようにとkaz13さんの粋な計らいなのである。
そうは言っても、先立って味見ぐらいしてもいいのではないだろうか。
いや、しなければならない。
これは味見である。
つまみ喰いではないのである。
帳落ちる頃。
盛んなる炭火を熾す。
焼き加減には細心の注意を払わなければならない。
この精緻。
大岩魚を釣る時の比ではない。
エビスビールというものはガブガブ飲んではいけないのであるが。
そうは言っても、ねぇ。
震撼する味覚中枢。
釣りをやってて本当に良かった。
我が家の娘たちは僕に寄り付かなくなって久しい。
各々それなりの娘のようであるが、この時だけは妙に纏わりついてくる。
Kaz13さん。
アマゴンさん。
心より感謝を申し上げます。
ありがとうございます。
ごちそうさまでした。
合掌。
後編に続く。
2019年09月21日
老眼世代が行く秋の源流紀行 後編 B場川
一夜明けて。
ここで登場するのがくまモンキーである。

実物である。
山国の釣り師にはどこか眩しい。

この日はB場川。
魚影が濃く、それ以上にツキノワグマの生息密度が濃い小渓流である。
要するに人生の谷底と思えばよろしい。
はっきり言えば、まっとうな人間の来るところではないのである。
くまモンキーで入渓したkaz13さん。
低い活性の中で釣果を重ねる。

一方、この釣り師とツキノワグマの境目は曖昧である。

さっそくKaz13さんに教わった渓魚の写真の撮り方を真似してみたのであるが。
これでいいのだろうか。




(魚体に触れることに関わるご指摘には、事前に適切な処置を施しつつ、電光石火の如き速やかなリリース。経験豊富な貴方サマ、野暮は言いっこ無しですゼ。)
見てもらったところ、これではいけないそうで、魚体の向きや角度が違うらしいのである。
写真を撮り直すには岩魚を釣り直さなければならないのであるが、そんな時ほど釣れなくなるのが世の常である。
このような経験をお持ちの諸氏はさぞ多いことと思いたい。
最後に貴重な良型を取ったkaz13さん。

ここでお開き。
釣りの後はこうでなきゃいけない。



釣り師の一日は長いけれど、そう簡単には終わらない。
ここで登場するのがくまモンキーである。
実物である。
山国の釣り師にはどこか眩しい。
この日はB場川。
魚影が濃く、それ以上にツキノワグマの生息密度が濃い小渓流である。
要するに人生の谷底と思えばよろしい。
はっきり言えば、まっとうな人間の来るところではないのである。
くまモンキーで入渓したkaz13さん。
低い活性の中で釣果を重ねる。
一方、この釣り師とツキノワグマの境目は曖昧である。
さっそくKaz13さんに教わった渓魚の写真の撮り方を真似してみたのであるが。
これでいいのだろうか。
(魚体に触れることに関わるご指摘には、事前に適切な処置を施しつつ、電光石火の如き速やかなリリース。経験豊富な貴方サマ、野暮は言いっこ無しですゼ。)
見てもらったところ、これではいけないそうで、魚体の向きや角度が違うらしいのである。
写真を撮り直すには岩魚を釣り直さなければならないのであるが、そんな時ほど釣れなくなるのが世の常である。
このような経験をお持ちの諸氏はさぞ多いことと思いたい。
最後に貴重な良型を取ったkaz13さん。
ここでお開き。
釣りの後はこうでなきゃいけない。
釣り師の一日は長いけれど、そう簡単には終わらない。
2019年09月18日
老眼世代が行く秋の源流紀行 前編 SFM渓谷
挨拶は「初めまして」なのに初めて会った気がしない。
こればっかりは釣り師の機微としか言いようがない。
今回、縁あってご案内したのは三重県からの客人。
かもしかnetのkaz13さんである。
https://kamoshika03.naturum.ne.jp/
地元でアマゴの自主放流を続け、釣り場を創るところから手掛ける鈴鹿山脈の王である。
先進国の釣り師というものはこうでなきゃいけない。
一方、どこか胡散臭いのが弊ブログ。
生まれてこのかた山国根性とナワバリ意識だけは一度たりとも他人様に引けを取ったことがない釣り師人生。
はっきり言えば深山幽谷の魑魅魍魎である。
本人が言うのだから間違いない。
にも拘わらず、身に余るリクエストを頂戴しちゃって有難いやら勿体無いやら。
小心者の岩魚釣り師は、床屋などに行ったりして右往左往しながらこの日を迎えたのである。
SFM渓谷。

釣って釣って釣りまくるkaz13さん。
着水直後、瞬時に繰り出すライン操作が冴えわたる。
炸裂する覇王色の覇気は四皇クラスである。



過酷な渡渉。

峻険な巻き。

さて。
井伏鱒二は鱒を釣ったそうであるが、岩魚釣り師は岩魚を釣らなければならない。

渓魚というものはヒレピンでなきゃいけない。


このサオのしなり具合はどうであろうか。


先進国の釣り師であれ、魑魅魍魎であれ、釣りの後はこうなっちゃうのである。



初めて会ったその日から、ちゃん付けで呼び合う釣り師の縁。
後編に続く。
こればっかりは釣り師の機微としか言いようがない。
今回、縁あってご案内したのは三重県からの客人。
かもしかnetのkaz13さんである。
https://kamoshika03.naturum.ne.jp/
地元でアマゴの自主放流を続け、釣り場を創るところから手掛ける鈴鹿山脈の王である。
先進国の釣り師というものはこうでなきゃいけない。
一方、どこか胡散臭いのが弊ブログ。
生まれてこのかた山国根性とナワバリ意識だけは一度たりとも他人様に引けを取ったことがない釣り師人生。
はっきり言えば深山幽谷の魑魅魍魎である。
本人が言うのだから間違いない。
にも拘わらず、身に余るリクエストを頂戴しちゃって有難いやら勿体無いやら。
小心者の岩魚釣り師は、床屋などに行ったりして右往左往しながらこの日を迎えたのである。
SFM渓谷。
釣って釣って釣りまくるkaz13さん。
着水直後、瞬時に繰り出すライン操作が冴えわたる。
炸裂する覇王色の覇気は四皇クラスである。
過酷な渡渉。
峻険な巻き。
さて。
井伏鱒二は鱒を釣ったそうであるが、岩魚釣り師は岩魚を釣らなければならない。
渓魚というものはヒレピンでなきゃいけない。
このサオのしなり具合はどうであろうか。
先進国の釣り師であれ、魑魅魍魎であれ、釣りの後はこうなっちゃうのである。
初めて会ったその日から、ちゃん付けで呼び合う釣り師の縁。
後編に続く。
2019年09月08日
岩魚たちの昼下がりは季節外れの熱中症
先週のB場ちゃんの言によれば。
「今年の渓流はこれが最後になるかもしれない。」と。
そうなると、何かにつけて配慮をしちゃうのが同行者としての嗜みというものである。
さて、今週末。
七日七晩にわたり心疼いた律儀な男は、諸事万端怠りなくどうにか入渓に漕ぎつけたようである。
出掛けに送られてきたショートメールには彼の心情が滲み出る。
それは何よりである。
何物にも代え難い
僕が行く前日であるがね。
一夜明けて。
入渓場所には彼の単車。
まさかとは思うが連日である。
ここはちょっとした思い付きで出掛けて来るところではない。
この男、一体どれだけ釣りまくれば気が済むのだろうか。
沢筋でB場ちゃん発見。
お湯を沸かし、コーヒーを落として寛ぐ余裕。
早朝の一時で十分な釣果。
煙草を喫いながら引き上げていく後ろ姿。
まあいい。
その気持ちはよくわかる。
彼が釣友でいてくれて僕は嬉しい。
ここはB場川である。
さて。
僕の釣果はどうであるか。


陽が高くなるにつれ型が落ちる。




来年の主役たち。




昼下がり、水温が16℃を超える。
台風の影響に違いない。
岩魚にとっては死活問題である。
また来週。


師の差し入れ。

一見わかりにくいと思うけれど、塩焼きではなく焼き枯らしである。
プロが時間と手間をかけてやるとこうなるのである。
頭と背骨を熱燗に入れると骨酒になるよ。

「今年の渓流はこれが最後になるかもしれない。」と。
そうなると、何かにつけて配慮をしちゃうのが同行者としての嗜みというものである。
さて、今週末。
七日七晩にわたり心疼いた律儀な男は、諸事万端怠りなくどうにか入渓に漕ぎつけたようである。
出掛けに送られてきたショートメールには彼の心情が滲み出る。
それは何よりである。
何物にも代え難い
僕が行く前日であるがね。
一夜明けて。
入渓場所には彼の単車。
まさかとは思うが連日である。
ここはちょっとした思い付きで出掛けて来るところではない。
この男、一体どれだけ釣りまくれば気が済むのだろうか。
沢筋でB場ちゃん発見。
お湯を沸かし、コーヒーを落として寛ぐ余裕。
早朝の一時で十分な釣果。
煙草を喫いながら引き上げていく後ろ姿。
まあいい。
その気持ちはよくわかる。
彼が釣友でいてくれて僕は嬉しい。
ここはB場川である。
さて。
僕の釣果はどうであるか。
陽が高くなるにつれ型が落ちる。
来年の主役たち。
昼下がり、水温が16℃を超える。
台風の影響に違いない。
岩魚にとっては死活問題である。
また来週。
師の差し入れ。
一見わかりにくいと思うけれど、塩焼きではなく焼き枯らしである。
プロが時間と手間をかけてやるとこうなるのである。
頭と背骨を熱燗に入れると骨酒になるよ。
2019年09月04日
こう見えても天然記念物
現代社会では一部の人に対して天然記念物呼ばわりをする向きがあるようだけれど、世知辛い人間関係を最も不得手とする岩魚釣り師などは頗る適任であると自負したいところである。
めまぐるしく移り変わるこの時代。
あえなく取り残されてしまった岩魚釣り師は手厚い保護を享受した試しが無い。
世間の風は正直者には冷たいのである。
さて。
うっかり路上に出てきてしまったニホンヤマネ。
カタチの上では天然記念物として保護されていることになっている。

背中の黒い一本線が特徴。
夜行性である。

パン屑を食べたら満足したのだろうか。
寝ちゃった。
かわいいもんでしょ。

天然記念物とは言っても保護には限度というものがある。
現実問題として、誰かにうっかり踏まれたり、車に轢かれたりしたら。
おしまいであるよ。
めまぐるしく移り変わるこの時代。
あえなく取り残されてしまった岩魚釣り師は手厚い保護を享受した試しが無い。
世間の風は正直者には冷たいのである。
さて。
うっかり路上に出てきてしまったニホンヤマネ。
カタチの上では天然記念物として保護されていることになっている。
背中の黒い一本線が特徴。
夜行性である。
パン屑を食べたら満足したのだろうか。
寝ちゃった。
かわいいもんでしょ。
天然記念物とは言っても保護には限度というものがある。
現実問題として、誰かにうっかり踏まれたり、車に轢かれたりしたら。
おしまいであるよ。
2019年09月01日
ダラけきった岩魚釣り
この日の岩魚たちはとりあえず毛鉤に寄っては来るけれど、ほとんどが水中で反転して帰っちゃうのである。
まあいい。
そのあたりは予想通りである。
そうなると、フックサイズやフライパターンがどうだとか、プレゼンテーションが云々などと、事前に対策を講じるべきなのだけれど、実際のところ何をしたところでダメなものはダメかもしれない。
要するに成り行きに委ねるのである。
実のところ、不器用な釣り師には選択肢の持ち合わせがないのである。
成り行きで掛かった不運な岩魚たち。



どれも掛かりが浅いだけに、彼らの無念さは察するに余りある。



さて。
本来であればこの川はB場ちゃんの独壇場である。
いっその事、B場川と名付けても構わないと思うところであるが、この日は彼も苦慮しているようである。


相も変わらず白昼の焚火。

この蜂の巣は立ち位置の頭上にあるから、以前に石などを投げて半壊の打撃を与えたのだけれど速やかに復旧されちゃっている。

釣り場の安全というものは他人任せには出来ないから、いずれ抜本的な対処をしなければならない。
そうは言っても、蜂に刺されるのは嫌である。
車に轢かれた蛇の死骸。
小動物や鳥には御馳走である。

ダラけきった釣り師は蛇の死骸を素通りしていつものやつ。


まあいい。
そのあたりは予想通りである。
そうなると、フックサイズやフライパターンがどうだとか、プレゼンテーションが云々などと、事前に対策を講じるべきなのだけれど、実際のところ何をしたところでダメなものはダメかもしれない。
要するに成り行きに委ねるのである。
実のところ、不器用な釣り師には選択肢の持ち合わせがないのである。
成り行きで掛かった不運な岩魚たち。
どれも掛かりが浅いだけに、彼らの無念さは察するに余りある。
さて。
本来であればこの川はB場ちゃんの独壇場である。
いっその事、B場川と名付けても構わないと思うところであるが、この日は彼も苦慮しているようである。
相も変わらず白昼の焚火。
この蜂の巣は立ち位置の頭上にあるから、以前に石などを投げて半壊の打撃を与えたのだけれど速やかに復旧されちゃっている。
釣り場の安全というものは他人任せには出来ないから、いずれ抜本的な対処をしなければならない。
そうは言っても、蜂に刺されるのは嫌である。
車に轢かれた蛇の死骸。
小動物や鳥には御馳走である。
ダラけきった釣り師は蛇の死骸を素通りしていつものやつ。