ナチュログ管理画面 フライフィッシング  フライフィッシング 北陸・甲信越 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2020年07月20日

クマが出れば尺も出る

前日。
一人で入渓したB場ちゃんが出会ったのはツキノワグマの成獣である。

  (撮影者 B場ちゃん)

適切と思われる距離感。
現代社会ではこれをソーシャルディスタンスというらしい。
長時間の対峙。
恐らく両者の覇気は拮抗していたに違いない。

仕掛けたのはB場ちゃん。
痺れを切らし、足元にプレゼンテーションをしたところ、何故か岩魚が出ちゃったそうであるが、手元に寄せながら逃げられるあたり、見物者が全身黒光りだと勝手が違うようである。

そこまで見届けてクマは藪に消えたそうであるが、それから間もなく上流で何かあったらしく、濁りが入って釣りはお仕舞い。

察するところ、貧果が身に沁みる帰路であったに違いない。


さて。
一夜明けて。
代わって僕が敵を討たねばならないのではないだろうか。

などと言うのは大義名分と言いたいところであるが、はっきり言えば屁理屈である。

B場ちゃんに頼まれたわけでもなければクマに恨みがあるわけでもない。

むしろ、邪な釣り師にきついお仕置きを加えるあたり、クマは得難い山中の友なのである。
さらに、彼らの場合は法律に抵触するわけではないから、後ろに手が回ることもない。
要するにそういうことなのである。




さて。
肝心の岩魚のご機嫌はどうであるか。

はっきり言って悪意すら感じる。
こっちがその気になったところで帰っちゃう。
カネ目当てに好きでもない男と付き合う女。
僕にはそんなカネは無いけれど、要するにそういうことなのである。


大人の火遊び。



この火遊びはタダである。



食いが立ったのはほんの一時。










このところ、けっこう引きが強くなってきたネ。



捨て置きならないのがこの尺上。
さて、どうしよう。



その気が無かったとまでは言わないけれど、ここまでやる心算も無かったのであるよ。
そのあたり、信じて頂くわけにはいかないものだろうか。

釣り師として不徳の致すところである。
面目無いとしか言いようがない。


食いが渋る。
開店時間は短い。



ここでお仕舞い。



この日。
クマは出なかった。