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2018年03月19日

毛鉤釣り師にだって春は来る

この日は初登場のB場ちゃんのお誘い。

小一時間ほどのキャスティングをこなしてからの入溪。

毎度お馴染みのKONちゃんがここに加わるのだけれど、彼は腰痛で遡行が覚束ないから、入渓は無理である。
今、彼に出来ることは芝生の上のキャスティングである。

出向いたのは、わりと近くの川なのだけれど、僕がここに入溪するのは十年振りぐらいになる。



この日、僕は雪が残る川筋で、ほんのりと微かな春を感じたかったのである。



サオを振るB場ちゃんであるが、彼の釣り姿を眺め、我ながら残り少ない釣り人人生に思いを馳せつつ、寡黙に歩く。



そのあたり、まだ少しばかりは気持ちにゆとりがある釣り師と思って頂けませんかね。


そう言いつつ、釣果はゼロである。

ここでのスプラッシュライズはB場ちゃんには取れなかった。
僕にも取れなかった。



ここでは合わせ切れである。



まあいい、釣り師は寛容でなければならない。
温泉と焼酎があるじゃないか。

さて、不躾ながら。
KONちゃんもB場ちゃんも揃って下戸である。
先頃、僕はホタルイカの初物を手製の沖漬けに仕立てたのだけれど、聞けば彼らはこの類のものが嫌いなのだそうである。



まあいい。
下戸には下戸の言い分があることと思う。

春の夜、この小さなイカが接岸して、青白く光る様は身投げに例えられる。
傍らでは、某国の木造船が海の藻屑になっていることと思われる。

僕は慎ましく春の使者を食卓で迎えるのである。

手酌で乾杯。

入溪前のキャスティングなどを思い出しつつ。
二人の下戸に合掌。