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2022年06月01日

魚が下手か 釣り師が下手か

山間地でも大方の雪が消えて、林道が通れるようになっているであろう頃合を見極める。

渓筋に降り立ってみれば日陰には少しばかりの残雪。



つぶさに分析したところ、今年も僕が一番乗りであると言い切って差し支え無さそうである。

さて、釣りを始めようか。

この渓の住民諸君。
久し振りに君たちに会うために僕はここに来た。
手荒なことをするつもりは無い。
僕は侵略者ではない。
君たちと共に渓の未来に向けた取り組みに尽力するパートナーである。

などというのは典型的な偽善者の台詞である。
釣り上げてから速やかに流れに戻そうと、鉤先のアゴを潰してから魚を掛けようと、渓魚に対して手荒なことをするためにやって来るのが釣り師なのである。

そのような身も蓋もない発言に対して世論というものは敏感に反応する。

次から次へと年端もいかぬ木っ端岩魚たちが猛反発。










さらに、稀に掛けた良型も食いが浅いと見えてことごとく釣り落とす。


この時期の岩魚たちの捕食がまだ下手なのか、釣り師である僕が下手なのか。

まあ、そのあたりに関しては、僕のウデが悪いということにしておけば物事が穏便に収まるのではないかと思う。


致し方なく、雪代が引けて其処彼処に引っかかっている流木を拾い集め、過去に無く盛大な火遊びに精を出す。





地合いが変わる昼下がり。







この日の努力はいずれ報われると思いたい。








釣り終えて煙草を一本だけ喫いながら、咥え煙草で田植えに精を出しているであろう釣友を思い出す。




後に聞いたところによると。
ちょうどその頃、前日のうちに手早く田植えを済ませた当のB場ちゃんは、別の渓の上流域に赴き、尺上2本に泣き尺1本を揃え、その他諸々を上げていたそうである。
誰にも見られることのない下品な笑みを浮かべていたに違いない。
しかも咥え煙草で。

まあいい。
日頃から努力を惜しまず、地道に釣行を続けているB場ちゃんのサオを立派な尺上がしならせたわけである。
僕にとってこれほど喜ばしいことがあるだろうか。




ただ、残念なことに彼は下戸である。

代わりに祝杯を上げるぐらいはお安いご用であるヨ。