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2018年04月26日

中華そばには敵わない

一杯の中華そばと言ってしまえばそれまでであるが。
そこは感受性が問われるところであると思う。

物事には基本というものがある。
殊に、フライフィッシングは、とりわけ入門者の定着率が低い釣りの分野である。
基本を疎かにして、小手先で誤魔化していても長続きしないのはご承知の通りである。
この中華そば店で、僕はフライフィッシャーとしての謙虚さを、改めて学ばなければならない。

敢えて多くは語るまい。



この店では週に一度か二度、N井サンの流儀が展開される。

ちなみに、N井サンは釣り師ではない。
高度な武装色の覇気で肝臓を鍛え上げ、世に数多の焼酎甲類を打ち破ってきた伝説の御仁である。
無敵のアルコール王なのである。

開店の10分前には駐車場に着いていなければならない。
すると、おばちゃんが、まだ少しぐらい早くても、そっと手招きをして店に入れてくれるそうである。
少し遅れると、席がすっかり埋まってしまって、せっかくの努力が台無しになる。

要するに、ほんの数分の差が命取りになるらしいのである。


諸事万端、抜かりなくコトを運び、順番待ちができる頃合には、爪楊枝を咥えて涼しい顔で席を立つ。
察するところ、誰にも気付かれること無く、絶妙の間合いで、一撃必殺の十八番を決めた瞬間のような余韻が、彼の胸中に漂っているに違いない。


この店に出向くときに限っては、取引先であれ誰であれ、時間にルーズな手合いは容赦なくふるいにかけ、かつ排除いたすのだそうである。
案件の一つや二つが何であろう。
「仏のN井も5分まで!」なのである。

この中華そばを何度か経験した上で申し上げる。
N井サンの方針を僕は高く評価する。

人には、多少の犠牲を払ってでも手放せないものがあっていいのではないだろうか。



ひとつだけ申し上げたい。
ここのスープはとても美味しいから、僕はほとんど飲んじゃうけれど。
でもね、血圧には気をつけた方がいいかもよ、N井サン。







  


Posted by SFM at 20:23Comments(0)釣り師の日常