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2022年05月18日

つゆ知らず 掛かっていたのは尺岩魚

岩魚は適度に散っていて、流芯の深みに付いている。

沢筋の陽気は涼しく、風向きが変わる。

岩魚が浮いてくることは期待できそうにない。

そこで、流芯の白泡や波を直撃するのだけれど、流れに乗せた毛鉤はすぐに沈み、どこを流れていることやら。
キャストした本人にも見当がつかない。

それでも、ごく稀にではあるが、上げてみると鉤先に岩魚が付いていることがある。

そのような偶然の産物に縋り、延々と同じ事を繰り返すだけなのである。

要するに、岩魚の側が勝手に毛鉤に食いつけばよいではないかという、極めて他力本願で無責任な釣りなのである。

マッチ・ザ・ハッチもナチュラル・ドリフトもお構いなし。

そんな局面。

フライフィッシングなんてそんなものだヨ。などということは口が裂けても言わない方がよろしい。


偶然の産物たち。












困ったことに、この尺上も偶然の産物である。



悪い冗談に思えなくもないけれど、偶然は偶然であり、悪気があってやったわけではない。
こればっかりは面目無いとしか言いようがない。


因みに、この尺上を女優に例えたらどうなるだろうか。
まあ、そのあたりは奈良県在住のゆみ王さんという非凡なる御仁が、いずれご一考下さることと思う。


などと、年甲斐も無く火遊びに耽る昼下がり。




さて。
察するところ、全身黒ずくめが通過したのはつい今しがたに違いない。



彼等はけっこうどこにでもいて、日中は藪に潜み、通過する釣り師を穏便にやり過ごしているらしいのである。
鉢合わせしないだけで、山中に仕切りは無い。
この地に限らず、本州のほぼ全域に分布しているわけであるから、釣り師にとっては身近な存在なのである。
ほんの手を伸ばせば届くほどの身近な藪の中に黒い塊が蹲っていながら、ただ釣り師が気付かないだけなのである。
彼等が出没しないと言い切れる溪は無い。

何事も、互いに理解を深め合うことが平和への道であると僕は思う。



ハルゼミが鳴き始めるのは時間の問題。




いずれ溪は弾ける。