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2018年06月04日

穴場にまつわるなんとやら

所謂、名人級の人と話していると、思いがけないような情報を聞けることがある。
技術的な事だったり、山中での知恵だったり、話題は様々だけれど、こういうものはカネで買えないところが素晴らしい。
とりわけ貴重なのは、長年温存してきた穴場の情報である。



いくら名人でも、つい、「あそこは山桜が満開の頃に・・・。」
などと、うっかり穴場の存在を匂わせてしまうことがある。
もっとも聞く側にも、それを嗅ぎとる注意力が必要になるのだけれど。
とにかく、名人の話をただぼんやりと聞いていてはいけないのである。

そのときに、すかさず話しに食い付いてしまってはいけない。
相手は名人である。
人一倍の警戒心をもって生き抜いてきたはずである。
老獪な大岩魚のようになっているはずである。
話をはぐらかす技も名人級に違いない。
細心の注意を払わなければならない。

そこは気長に待つのである。
その間にこちらが忘れてしまっては元も子もないのであるが。

そこで、入念に時期を窺いつつ、翌年あたりの山桜がまだ咲く前に、「そうそう、去年話していた山桜の川は・・・今年もそろそろ花が・・・。」
などと平静を装いつつ、さらりと切り出す。
すると名人は、「俺、そんな話ししたかな?」
などと言いつつ、首を傾げながらも、覚悟を決めたように、渋々と穴場の説明をしてくれるのである。





名人の隠し沢だから、時には僕でも出来過ぎなくらいの大釣りになることもある。

しかし、そこで浮かれてはいけない。
他の釣り師たちの前で、下品な笑みさえも醸し出してはいけないのである。
これほどに自己管理能力が求められる分野が他にあるだろうか。
得ることは大変であるけれど、失うことはごく容易い。
沈黙は金である。
口の堅きこと蛤の如く、涼しげに素知らぬ顔でやり過ごさなければならない。


前置きが長くなってしまった。

さて、重い十字架を背負いつつ入渓したこの日。



僕としては、瀬尻に出ている良型を、一投目で気持ち良く掛けるような釣りがしたかったのだけれど、この日は陽の当らない中途半端な深みに付いている岩魚を、ねちっこくおびき出す釣りになっちゃったのである。


後刻、名人を訪ねてそのような報告をしたのであるが。
「贅沢を言うな。」
・・・あいすいやせん、以後気をつけやす。


まあ、それなりに型揃いではある。









このお腹をご覧頂きたい。
春ゼミを何匹も食っていると思って間違いない。




この上なく爽やかな陽気に岩魚の食いが止まる。



ここでサオをたたんで温泉である。


さて、名人の仕立てたワラビの松前漬けで。