2017年09月11日
蓮華岳・北アルプスの稜線を独り占め
針ノ木雪渓に沿って歩いていくと、ひんやりとした風が吹き下ろしてくる。
やれ、ありがたい。
少しだけ、夏の暑さから立ち直れそうな気がしてくる。

毎年ここを歩いていると、年を追って体力と気力が目減りしていることがわかる。
溪の歩き方なども考えなければならない。
稜線の近くまで登って来ると、時々後ろを振り向きたくなる。
高度を上げるごとに猫の耳がせりあがって来る。

さて、針ノ木峠である。

ここからは針ノ木岳にも蓮華岳にも行くことができるのだけれど、今年は蓮華岳の番である。
時間に余裕が無いわけじゃないけれど、片方をこなしてしまうとそれだけで満足して、下山後の温泉と冷えたヤツに気持ちが向いてしまうのは致し方の無い事ではないだろうか。
僕に健全な登山者精神は無い。
針ノ木小屋の庭先から。
此奴、少しばかり自己主張が過ぎるのではないだろうか。

ちょうどそのころ、この穂先に向かっていた登山客が北鎌尾根で一人、他にも徳沢の辺りで一人、北穂高で一人、合わせて3人が死亡したそうである。
この山域での遭難者数は高止まりが続いており、その9割近くが県外からの登山客だということになっている。
これが登山以外の、例えば渓流釣りや山菜採りなどになると、逆に地域住民が遭難者になることが多いようである。
死亡や重傷は別として、運良く無傷やかすり傷程度で救助されて命拾いをした遭難者は、以後神妙に自粛をいたすのだろうか。あるいは、熱さが喉元を過ぎてしまえば懲りずに現場復帰を企むのだろうか。
また、家族や親族の心配や不安はどうであろうか。敢えて言及すれば世間体などもありはしないか。
思えば3年前、僕がこの場所でこの山群を同じように眺めていた時に御岳山が噴火している。
さて、気分を変えよう。
蓮華岳はどこから眺めても冴えない形をしている。
要するに見た目が悪い山なのである。
けれど、居心地の良さは群を抜いている。
僕はこの山をとても気に入っている。

加えてありがたいことにこの山はいつも空いている。
この日も行き交った登山客は片手にも届かない。
視界の中には誰もいない。
これほどに開放的な稜線をほぼ独占できちゃうのである。
徐々に剱岳と立山が見えてくる。

白馬岳の先端。

生き残り達。


天寿を全う。

山頂直下。

歩いてきた広い稜線と針ノ木岳。

山頂も独り占め。


これは実に嬉しい。
ライチョウの群れは、健全な登山者精神に欠けている岩魚釣り師にも、等しく姿を見せてくれるのである。

ここでパートリッジを連想したとすれば、それは相当に罪深い。
この道中では水場には困らない。
中でも大沢小屋から下ったところの湧水は素晴らしい。

麓の里では蕎麦の花の季節。

これで昇天。

やれ、ありがたい。
少しだけ、夏の暑さから立ち直れそうな気がしてくる。
毎年ここを歩いていると、年を追って体力と気力が目減りしていることがわかる。
溪の歩き方なども考えなければならない。
稜線の近くまで登って来ると、時々後ろを振り向きたくなる。
高度を上げるごとに猫の耳がせりあがって来る。
さて、針ノ木峠である。
ここからは針ノ木岳にも蓮華岳にも行くことができるのだけれど、今年は蓮華岳の番である。
時間に余裕が無いわけじゃないけれど、片方をこなしてしまうとそれだけで満足して、下山後の温泉と冷えたヤツに気持ちが向いてしまうのは致し方の無い事ではないだろうか。
僕に健全な登山者精神は無い。
針ノ木小屋の庭先から。
此奴、少しばかり自己主張が過ぎるのではないだろうか。
ちょうどそのころ、この穂先に向かっていた登山客が北鎌尾根で一人、他にも徳沢の辺りで一人、北穂高で一人、合わせて3人が死亡したそうである。
この山域での遭難者数は高止まりが続いており、その9割近くが県外からの登山客だということになっている。
これが登山以外の、例えば渓流釣りや山菜採りなどになると、逆に地域住民が遭難者になることが多いようである。
死亡や重傷は別として、運良く無傷やかすり傷程度で救助されて命拾いをした遭難者は、以後神妙に自粛をいたすのだろうか。あるいは、熱さが喉元を過ぎてしまえば懲りずに現場復帰を企むのだろうか。
また、家族や親族の心配や不安はどうであろうか。敢えて言及すれば世間体などもありはしないか。
思えば3年前、僕がこの場所でこの山群を同じように眺めていた時に御岳山が噴火している。
さて、気分を変えよう。
蓮華岳はどこから眺めても冴えない形をしている。
要するに見た目が悪い山なのである。
けれど、居心地の良さは群を抜いている。
僕はこの山をとても気に入っている。
加えてありがたいことにこの山はいつも空いている。
この日も行き交った登山客は片手にも届かない。
視界の中には誰もいない。
これほどに開放的な稜線をほぼ独占できちゃうのである。
徐々に剱岳と立山が見えてくる。
白馬岳の先端。
生き残り達。
天寿を全う。
山頂直下。
歩いてきた広い稜線と針ノ木岳。
山頂も独り占め。
これは実に嬉しい。
ライチョウの群れは、健全な登山者精神に欠けている岩魚釣り師にも、等しく姿を見せてくれるのである。
ここでパートリッジを連想したとすれば、それは相当に罪深い。
この道中では水場には困らない。
中でも大沢小屋から下ったところの湧水は素晴らしい。
麓の里では蕎麦の花の季節。
これで昇天。
Posted by SFM at 20:14│Comments(0)
│トレッキング